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臥頭狂一のエロ小説ブログ。※18歳未満閲覧禁止。

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恣(ほしいまま) ~共有される幼な妻~ 第一話 (26枚)


 貧しい鉱山の町だった。鉱山掘りたちは、日々過酷な労働に追われていた。
 彼らの願望はただひとつ。女。妻を得ること。
 それは容易なことではなかった。女は貴重な商品だった。年ごろになる前に、女衒によって娼館へと売られていく。
 労働者たちは必死になって働いた。妻という肩書きの性奴隷を手にするために……。


  第二話  第三話  第四話  第五話  第六話  第七話  第八話  第九話  第十話




 鍋の蓋が、かたかたと揺れていた。
 鍋蓋が持ち上がるたびに蒸気が漏れ出す。狭苦しい厨房に、ふわりとジャガイモの香ばしい匂いが広がった。石造りの古い竈(かまど)の中では、炎がぱちぱちと音をたてている。
 湯気のあふれる鍋を、線の細い少女が不安げに見つめていた。炎の勢いが気になるのか、ときおり屈みこんで竈の中を覗いている。
 髪の長い少女だった。頭の後ろから結われた三つ編みが、腰のあたりまで伸びている。色褪せてはいるが清潔そうな白いブラウスが、つやのある黒髪によく似合っていた。
 幼さの残る顔だちをしているのに、あどけなさよりも儚さを感じさせる。きゃしゃな肉体のせいだけではなかった。少女の表情には影があり、無邪気さとはほど遠い。大人びて見えるところがあった。
 目尻の位置が低い。耳へ向かって垂れるように下がっている。細い眉も同様だった。目と併走するように平行な線をつくっている。茶色がかった瞳は、長い睫毛によってほとんどを覆い隠されていた。
 頬を伝う涙がなくても、泣いているのかと錯覚させる。雪を思わせる肌の白さと相俟って、少女をひどく弱々しく見せていた。
 少女は前髪をかきあげながら、竈に背を向ける。小さな窓から残照が射しこんでいた。
 小さな卓を挟んで食器棚の前に立つ。皿を取り出そうと手を伸ばしたところで、動きが止まった。細い腕は力なく戻され、脚の前でもう片方の手と組まれる。視線が足もとに落ちていた。
 ほんの数歩先にある入り口に、巨漢が立っていた。少女の白い肌と比べると、ずいぶん色が黒い。皺だらけの顔が、黒と白のまだら髭に覆われている。髭と繋がった頭髪にも白いものが混じり、禿げ上がった頭頂を乱雑に囲んでいた。
 顔貌を見るかぎり老人に見える。だが背筋は真っ直ぐに伸びており、肩幅も広い。毛玉の飛び出たセーターの上からでもわかる胸の厚みや腕の太さが、猛々しく威風を放っていた。
「キーラ」
 低く、しわがれた声だった。大男が近づく。重そうな足取りだった。
 名を呼ばれた少女は、びくりと貧弱なからだをふるわせた。小さな肉体を、さらに縮めている。
 テーブルの前で、大男は足を止めた。首を前に垂れた少女を見おろしている。黄色く淀んだ眼だった。
 ふたりの背丈にはかなりの開きがある。男より頭ひとつ半以上、少女が低い。身長だけではない。手も靴のサイズも、顔も、何もかも男のほうがはるかに大きかった。
 まだら髭は背後に手をまわし、背すじに沿って垂れる三つ編みを無造作に掴んだ。
 うつむいた顔が引き起こされる。少女の顔が苦痛に歪む。視線の先に、舌を突き出したまだら髭の黒い顔があった。
「っ…………」
 巨体の腰が丸く縮まる。ふた周りは大きな男の顔が、ぽってりと柔らかそうなくちびるへと降りていった。伏せた睫毛に涙が溜まっている。
 べろり、と、厚みのある男の舌が閉じたくちびるを舐めあげた。まだら髭が開かれた口の上で揺らめいている。鼻の穴が開ききっていた。
 少女はじっと身を固くしている。なされるがままだ。ごつごつした手がスカートの中を弄っても、抗うようすは見られない。こめかみが小さく痙攣してはいるが、無遠慮な手が尻の上を這い回るのを受け容れている。
「あ、う……は、い……」
 まだら髭の舌先が紅唇の間をつつくと、少女は従順に口を割った。白い歯の間を、荒れた舌が侵入していく。そばかすひとつない頬に、涙の筋がつくられた。
「んっ……う、ぐっ……」
 塞がれたくちびるの間から、苦しそうな呻きがこぼれる。分厚い唇が、少女の口を覆い、包みこんでいた。挿しこまれた舌は口内で図々しく暴れまわり、逃げまどう小さな舌を追いつめる。やがて捕らえられたか弱き獲物に、生温かい液体が与えられた。
「んっ……んぐっ……ん……」
 注いだ唾液を飲み下されるのを満足げに見おろしながら、男はようやく口を解放した。間をつなぐ透明な糸を、長く伸ばした舌で舐めとる。見せつけるように、卑猥な動きだった。すぐ口の中にしまおうとせず、上下させている。
「尻を向けろ」
 かすれた声が命じる。黄ばんだ目に血の筋が走っていた。
「で、でも……お芋が……」
 長い睫毛の下で、茶色の瞳が端に移る。竈の上では鍋がごとごとと音をたてていた。かわいた匂いが漂いはじめている。
「ひうっ……!」
 長いスカートの中で肉を打つ音がした。厚地の布越しだというのに、こもった音が大きい。垂れ下がった目尻が、小刻みにふるえた。
 叩いた尻の上を、無骨な手が撫でている。まだら髭は黄色い歯を見せていた。
「う……はい……」
 いちど男の顔を仰ぎ見て、少女はうな垂れた。木製の卓に手を置き、自分からスカートを捲りあげる。
 下着は着けていなかった。小ぶりな白い尻が、男に向かって突き出される。叩かれた場所が紅く染まっていた。
 男が両手を尻の上に置く。甲や指にまでびっしりと生えた体毛のせいで、黒い肌がさらに濃く染まって見える。白い肌に喰いこんだ指が、桃肉を左右に広げていた。
 見開かれた目が、少女の股間に迫っている。無毛の閉じた割れ目から小さくすぼまった穴まで、あますところなく獣じみた視線に晒されていた。
 熱い鼻息が降りかかると、細い脚が小さくふるえた。鼻が谷間に触れんばかりに、男は黒い顔を近づけている。目の前で慎ましげな後ろの孔が、ひくひくと収縮していた。
 太い指がぷっくりとした恥丘の上をなぞる。閉じた割れ目の筋を上下に撫でられるたびに、紅いくちびるから短い吐息が漏れた。すべすべした双臀が細かく揺れている。人差し指が柔肉を押し広げ、狭い窪みに半ばまで埋まるころには、湿った息に喘ぎが加わっていた。
「あ、んっ……あふぅっ……」
 根もとまで挿し入れてから、ゆっくりと引き抜く。繰り返しているうちに、少女の声に甘いものが混じりはじめた。きゃしゃな腰が、わずかだが左右に振られている。
 薄汚れたジーパンのファスナーが下ろされた。片手で器用にズボンを降ろす。巨きな怒張が天を衝いていた。夕日を浴びて、黒々と光沢を放っている。
「あっ……」
 出し入れを続けていた指が引き抜かれた。つけ根まで、透明な液に包まれている。
 まだら髭はその指を用いて剛直を握り、先端を割れ目へとあてがった。
 少女の視線は手をついた卓に落ちている。古いテーブルだった。あちこちに深い傷がある。見おろす瞳が潤んでいた。
「あううっ……!」
 男はいちどに押し貫いた。
 幼い膣には大きすぎる肉棒だった。奥まで突きこまれただけで、顔が蒼ざめている。呼吸もままならないのか、くちびるがふるえていた。
「う……あ……」
 苦しげな喘ぎ声に構わず、男はゆっくりと出し入れをはじめた。きついのだろう。黒く引き締まった尻の左右に窪みができている。まだら髭に覆われた顔が、気持ちよさそうに歪んでいた。
 卓の上がぐらついている。テーブルの脚がぎしぎしと音をたてた。徐々に抽送が早まっていく。
 黒々と光る勃起が、白い谷間を出入りしている。まだら髭は結合部から目を離さない。瞬きすら惜しいのか、眼が充血しきっているのになかなか閉じようとはしなかった。鼻息が荒い。
 未熟な性器の抵抗は薄まっている。男根の抜き挿しが、先ほどよりゆるい。肉茎が湿り気を帯びていた。
 卓の上に、毛に覆われた黒い手が置かれた。少女が五指をひろげた両手の外側だった。男は小さなからだにかぶさり、胸と腹をブラウスの背に密着させた。鼻をひくつかせ、横から黒髪の匂いを嗅ぐ。くすぐったかったらしく、白い首すじが縮まる。
 まだら髭はゆっくりと腰を引くと、下腹を一気に小ぶりな尻へと叩きつけた。
「ひああっ……!」
 肉が肉を打つ音。わずかに遅れて悲鳴に近い声が、細い喉の奥からしぼり出された。
 少女の目が驚きに見開かれる。取り戻しかけていた呼吸の周期は、ふたたび乱されていた。睫毛に隠されていた茶色の瞳が揺れ動く。肺が慌てて空気を取り込もうとする前に、はげしい突きこみがはじまった。
「あっ、あんっ……やっ、あぐうっ……!」
 肉のぶつかりあう音と涙混じりの幼い声が、狭い厨房の壁に反響していた。床近くではテーブルの脚がぐらぐらと振動し、責め立てられる少女の上体を不安定にしている。
 背後からの男の責めは勢いを増していく。射精間近なのだろう。黒い尻と太股の繋ぎ目が、ぴくぴくと痙攣している。前後する腰の振りの範囲が、狭まっていた。
 脚のつけ根から、吐精の予感が伝わりはじめたときだった。大男の背後から、ばたばたと慌しい足音が近づいてくる。
「おい! 焦げくせえぞ!」
 乱暴だが、やけに甲高い声だった。
 声の主は入り口まで勢いよく駆けこんできたが、厨房に入るなりぴたりと足を止めた。大男が少女にかぶさって犯しているのを見て、言葉を失っている。
 大男よりも背が低く、痩せていた。肌の色はやや薄いが、少女に比べればずっと黒い。若く見えるが、表情のせいかもしれない。つりあがった目とだらしなく開いた口は、落ち着きがなさそうだった。首の後ろで縛った長髪も、軽薄に見せるのを手伝っている。
「がたがた騒ぐんじゃねえ、ファビオ。くせえなら、てめえがなんとかしろ」
 まだら髭は顔だけを後ろに向けて、傲慢にいい放った。
 男根は少女の膣内に、深く挿入されたままだ。萎えてはいないが、絶頂の迸りは遠ざかっていた。
 邪魔をされた苛立ちが、怒りの形相となって表れている。口の端は歪み、黄色い乱杭歯が見えていた。
「お、親父……今日は、おれの日だろ……」
 高い声がうわずっている。眼にかすかな敵意を浮かべてはいるが、態度は弱々しい。チェック柄のシャツの襟に、震えが伝わっていた。
 黄色く淀んだ眼が、若い男の視線を捉える。それだけでじゅうぶんだった。
 細身の男はすっかり腰が引けていた。額から垂れおちる汗の量がおびただしい。厨房の熱気のせいではない。顔が血の気を失っている。たった十数秒の間に、萎縮してしまっていた。
 敵意からおびえに変わった目を伏せ、長髪が背を向ける。立ち去ろうと踵をあげようとしたとき、低いしわがれ声が耳に刺さった。
「誰が行っていいといった」
「け、けど……」
 よっぽどまだら髭を恐れているのだろう。振り返らず、目だけを向ける。
「芋を皿に乗っけて持っていけ」
 抑揚のない声だった。
「わ、わかった……エルナンに、やらせる」
「てめえがやれと、いってるんだ」
 若い男の額に青筋が浮かぶ。並びの悪い歯がきしむ音が熱い吐息とともに漏れた。握りしめた拳の揺れ幅が増していく。
 しかし、叛逆の姿勢はそこまでだった。
 長髪は大きく息を吐き、踵を返し厨房の中へと早足で進んだ。つながったままのふたりを避け、棚から大皿を取り出す。食器を持つ手が震えている。
「キーラ。つづきだ」
 あきらめたように目を瞑り、少女が小さくうなずく。下を向いたところで、尖った顎が厚い掌に包まれた。柔らかな下くちびるを、黒い指が左右にこすりあげる。
「んむ……」
 求めに応じ、少女は毛だらけの中指を咥えた。くちびるではさみ、唾液をつけて舐めまわす。躾けられているのか、体毛の濃い指にも嫌悪の情は見られない。従順そのものだった。
 温かい口内を指で堪能しつつ、まだら髭は腰をつかいはじめた。卓に置いていたもう片ほうの手を、白いブラウスの胸へ這わせる。ふくらみかけの薄い乳房を、服の上から弄った。
 長髪は鍋の中から、欠けた皿に焦げついたジャガイモを移している。蒼ざめていた顔が今は赤い。ちらちらと後背位で交わるふたりを盗み見ては、こめかみを痙攣させていた。
「はあっ……んんっ……」
 少女のからだが、卓ごと揺れていた。頬が紅く染まりつつあった。細い眉はもう苦痛を訴えてはいない。弱々しく吐き出される息が、甘く湿っている。
 若い男は後ろに縛った黒髪ごと肩を震わせていた。ジャガイモはすべて大皿に乗せ終えていたが、厨房から去ろうとはしない。開いた口の歯の間から、灼けつくような熱い息を吐いている。
 黒目に映る少女の痴態から目が離せなくなっていた。淵が赤い。大皿を胸の前に抱えてはいるが、立ち昇る湯気はすでに失せている。焦げめのついた芋は冷めかかっていた。
「おおッ、おおッ……!」
 まだら髭の口から、太い呻きが飛ぶ。肉の打ちつける音と、テーブルの脚があげる悲鳴、少女の喘ぎの間隔が、短くなっていく。
 毛に覆われた手が、白い尻を鷲づかみにしていた。小さな尻に膨張した黒い肉棒が出入りしている。大男の視線も若者の目も、その一点に注がれていた。
「むおおおッ……!」
 まだら髭が吼える。反らせた腰がぶるぶると震えはじめた。黒い尻には深いえくぼができている。
 はげしい痙攣は少女のからだにも伝わった。がっしりと固定された尻には、大男の股間と下腹が押しつけられている。きゃしゃな肉体ががくがくと揺れた。
「あ、う、う……」
 かすれた声が、濡れたくちびるの間からこぼれる。幸薄そうな顔が紅潮していた。熱い獣液を胎内に浴びて、うっとりと女の悦びを感じているように見える。
 長髪の男の鼻息が荒い。瞬きを忘れていた。見開いた眼には、怒りと欲情が渦を巻いて血の線を走らせている。憤りがどちらに向けられたものなのか、自分でもわからなかった。
 何度も短い呻き声を放ったのち、まだら髭は狭い背に上体をあずけた。支えることができず、細い腕が折れ曲がる。
 卓の上につぶれた少女にもたれたまま、大男は紅いくちびるをもとめた。背から腰まで密着しており、男根は膣内の奥深くに挿しこまれたままだ。屈強な手が、掴んだ頭を無理に黒い顔へと向かせている。
 うつろな瞳で、少女は長く伸ばされた舌を吸った。なめらかな頬はいまだ赤みを失っておらず、愛しい男の欲求をはたそうと心から仕えているように見えた。柔らかなくちびるが、音もたてず付着した涎をすすっている。
 卓を挟んで立ち尽くす長髪の若者の姿は、ふたりの目に入っていなかった。




 キーラがセルダ家に嫁いだのは、半年前のことだった。
 嫁いだとはいっても、結婚式など挙げてはいない。町には古びた教会がひとつしかない。その教会もほぼ葬式専門で、聖職者の代わりを雑貨屋がつとめるといういい加減なものだった。最後に行われた婚儀がいつのことだったか、町の誰も覚えていないだろう。
 まだ幼い末弟を除いて、セルダ家の男たちは鉱山で働いていた。
 都市部を遠く離れた高山の町には、ほかに仕事がない。町の男のほとんどが鉱山での仕事に従事している。
 かつては大量の銀が採掘される、大規模な鉱山だったらしい。今では掘りつくされ、錫(スズ)や銅を生み出すのみだ。この地を支配していた白人たちは、銀が枯渇すると町を捨てて去っていった。
 後には寂れた鉱山町だけが残された。夜も灯りが消えることのなかった酒場や娼館の通りは、廃墟と化している。数十年のあいだ人の手が入っていない建造物は今にも崩れそうで、近寄る者もない。過去の繁栄は町の名とともに忘れ去られていた。
 労働者たちは一様に貧しい。
 朝から晩まで、日によっては十時間以上、暑く狭苦しい穴の中に閉じこめられる。ダイナマイトを爆破してつくった坑内を、ひたすら手作業で掘り進めていく。休みは週に一度だけ。落盤の危険もあり、粉塵が体内を汚染しつづける。
 必死になって働いても、給金は驚くほど安かった。十年働いてもおんぼろ中古車の一台すら買えない。貧相な食事をとって安酒をあおり、あくる日はまた危険な仕事に従事する。その繰り返しだった。
 かといって、過酷な労働と貧困から抜け出すこともままならない。
 彼らは読み書きができないのだ。廃れた鉱山町に学校はなく、あったとしても通わせる親はいない。子供は貴重な労働力だった。家事のほかに、庭の畑でジャガイモやトウモロコシを育てさせる。遊ばせておくほど余裕のある家は存在しない。
 読み書きができなければ、山を降りたところでまともな仕事などない。鉱山掘りの仕事に特化した男たちだった。新天地を求めて山を降りた一家もあったが、一月と経たずに舞い戻った。国じたいに仕事がないのだという。
 鉱山に縛りつけられているようなものだった。死ぬまで掘りつづける。それが彼らの運命だった。貧困の連鎖から、逃れることができない。
 労働者たちには娯楽と呼べるものもほとんどなかった。大衆娯楽といえるテレビさえ、見たことがない者のほうが多い。なにしろ電気が通っていない。文明から隔絶された町といってもよかった。
 彼らはいったいなぜ労働の日々を耐え抜けるのか。安酒をあおるだけで過酷な毎日は耐えられるものではない。貧苦から抜け出せず、娯楽もないでは明日への希望も生まれない。
 そう。ささやかな野望といえるもが、彼らにもあった。
 女。
 老いも若きも、鉱山で働く男たちの求めるものはそれだけだった。例外なく性欲を持て余している。白い血潮を受け止めてくれる相手が欲しい。夢に見るのは女のことばかりだった。
 誰もが妻を迎えることを第一の願望としている。嫁を娶るために、貧しい労働者たちは必死になって働いた。
 とはいえ、この町で女を得るのは難しい。まず、若い娘が少ないのだ。娘が年ごろになるまで生まれた家庭で過ごすことなど、この町では皆無に等しい。
 女は商品だった。一年に一度、街から女衒がやってくる。早ければ十一、二歳で、娘は値段をつけられた。容姿が良いほど、高い値がつく。売られる先は娼館だ。連れていかれれば、もう二度と両親や兄弟と会うことはできない。
 貧しさゆえだった。仕事のない鉱山の町では、働けない女は負担になるだけだ。嫁ぐ年齢になるまで、とても家には置いておけない。娘を売れば蓄えにもなった。この町の女は、生まれながらにして売られる運命にある。
 では、男たちはどうやって女を得るのか。妻を娶るのか。
 女衒と同じだった。妻を買うのだ。
 労働者たちに女衒と同じ額の金は払えない。男たちに買えるのは、女衒ですら見向きもしなかった娘たちだけだった。つまり、不器量な女や、病気持ちの娘に限られた。
 いわば余りものだが、それでも鉱山掘りにとっては目が飛び出るほどの出費だ。おいそれと出せる額ではない。中には一生かかっても妻を得る金をつくることができず、死んでいくものもいる。
 嫁を迎えることができても、大抵の場合、独占はできなかった。親兄弟や息子がいれば、分け合わなければならない。個人の所得だけで買うには足りないことがほとんどで、娶った後は生活費がひとりぶん増える。負担を背負いつづけるには、労働賃金が安すぎた。家族で分担しなければ、養っていくことさえ困難なのだ。
 妻は一家の共有財産というのが、貧しい鉱山町の常識となっている。
 キーラもまた、親に売られてセルダ家に嫁いだ。
 としは十三歳、遅くも早くもない。男所帯の共有妻であるところも、珍しくはない。
 ほかと違っていたことはただひとつ。
 キーラはうつくしかった。
 町に住む者はすべて有色人種だ。大半が混血で、肌の色も黄色かったり黒かったりとさまざまだった。
 キーラは違う。透きとおるように白い肌をしていた。植民地時代の名残だろう。白人の血が色濃くあらわれていた。髪は黒いが、瞳は澄んで茶色い。彫りが深く、人形のようだった。
 同年代の少女と比べて背は低いが、手足は長い。か細いからだつきにも、女らしいふくらみが出てきている。成長すれば誰もが息を呑む美女になることは間違いなかった。
 当然、女衒からは高い値がつけられていた。薄幸そうな顔が、男心をそそる。娼館でも評判になると人買いはほくそ笑んでいたが、横槍が入った。
 それがセルダ家の長であるヘルマンだった。ヘルマンは女衒の提示した額の倍を支払い、手を引かせることに成功する。実に鉱山掘りの平均年収二十年分という大枚をはたいてキーラを手にしたのだ。
 一介の鉱山労働者ではあったが、ヘルマンは働き者だった。四十八になるが肉体は頑強そのもので、若い男の三倍は働く。稼ぎも別格で、他の者の倍以上貰っている。生涯女を得ることができない者も珍しくはないというのに、彼が妻を迎えるのはこれで三度目だった。
 それでも大金を必要とした今回は、彼だけの稼ぎでは足りなかった。三人いる息子のうち二人は成人しており、それぞれ鉱山掘りとして収入を得ている。父と息子二人の蓄えを足して、ようやくキーラを共有妻として迎えるに至ったのだ。
 セルダ家は父へルマンを筆頭に、長男イケル、次男ファビオ、三男エルナンの四人。まだ十一歳のエルナンは別として、上の兄弟ふたりはまだ二十代前半だ。女に飢えて飢えきっている。うつくしい少女を共有妻に迎えて、若い血をたぎらせていた。
 だが、優先権は家長であるヘルマンにあった。最も金を多く出したのがヘルマンなら、稼ぎが一番多いのも彼なのだ。一家の絶対権力者といってよかった。
 キーラの初夜はヘルマンが独占した。前の妻が亡くなって五年以上経つ。幼い処女を、彼は一晩かけて思うさまに愉しんだ。破瓜の痛みに苦しみ悶えるキーラを、ねちっこく朝まで苛め抜いた。兄弟は少女の泣き叫ぶ声を聞きながら、いきり立った若勃起を自分で慰めねばならなかった。
 長男のイケルに与えられたのは、一週間後だった。未熟なキーラのからだが壊れてしまうことを恐れ、控えるよう命じられたのだ。元はといえばヘルマンが愉しみすぎていたせいなのだが、口には出せない。イケルもまた朝方までまぐわったが、父とは違って女に慣れていない。回数を重ねて愉しんだ。
 次男のファビオはその六日後だった。キーラが月経を迎えてしまったのだ。短気な彼は生理期間が終わるまでひどくいらついていて、弟のエルナンに何度もあたりちらした。
 ヘルマンはキーラを自由にしてよい日を、曜日で割り振った。諍いを避けるための取り決めだとの名目だったが、実際にはへルマンの思いのままだった。
 イケルとファビオには週に一日ずつしかなく、ヘルマンだけ二日。のこりの日はキーラを休ませるということになってはいたが、実質ヘルマンの日も同じだった。気が向けば息子の目も気にせずに平気で手を出す。やりたい放題だった。
 兄も弟も、咎めることはできない。不平を口にすれば立てなくなるほど殴られ、家からたたき出されるおそれがあった。腕力でも稼ぎでも、父には遠く及ばない。耐えるしかなかった。
 息子たちの不満は、日に日に高まっていた。



  恣(ほしいまま) ~共有される幼な妻~ 第二話



テーマ:18禁・官能小説 - ジャンル:アダルト

  1. 2010/07/15(木) 19:19:19|
  2. 恣(ほしいまま)~共有される幼な妻~
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  4. | コメント:0
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臥頭狂一

Author:臥頭狂一
(がとうきょういち)
 日々、頭痛に悩まされながら官能小説を書いています。
 いろいろなジャンルに手を出していくつもりです。よろしければ読んでいってください。
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