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臥頭狂一のエロ小説ブログ。※18歳未満閲覧禁止。

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恣(ほしいまま) ~共有される幼な妻~ 第四話 (41枚)


 土砂降りの夜だった。
 奇妙な緊張感が、セルダ家の居間を包んでいる。兄弟の三人とも、食卓から動こうとしない。
 六つの目は部屋の片隅に向けられている。薄暗い一角だ。
 褐色の巨人に、健気に仕える幼な妻の姿がある。
 ヘルマンが汚れた身体を拭わせているのだ。




 外は風雨だった。
 雨足が強い。屋根瓦を叩きつける雨音は、日が沈んでよりいっそう増すばかりだ。
 壁に使われている日干し煉瓦とは違い、屋根の瓦には焼きが入っている。粘土に熱を加えて鍛えられた焼き瓦は、軽い上に頑丈だ。台風にでもならないかぎり、家屋を守り抜いてくれることだろう。
 窓は木製の開き戸によって閉ざされている。風が吹きつけるたびにがたがた揺れたが、雨水の浸入はほとんど許していない。補強の必要まではなさそうだった。
 セルダ家の居間は静まりかえっていた。ランプの灯心の焦げるかすかな音が、古いテーブルを囲む三兄弟の耳をくすぐる。
 夕食はとうに済んでいたが、誰ひとり食卓を離れようとしない。話すことがあるわけでもなかった。口を開くことも、視線が交わされることもない。
 ファビオの兄に対する敵意も、影を潜めているようだった。正面に座るイケルを気にした様子もなく、苛立ってもいない。
 奇妙な緊張感が漂っている。兄弟の三人ともが、どことなく落ち着きがない。
 組んだ太い腕を卓の上に置いているのは長男のイケルだ。いかにも泰然と見せているが、しきりに唇を舐めている。呼吸がわざとらしかった。盛り上がった肩の上下が、不自然に規則正しい。
 鼻先を赤く染めたファビオは、グラスを左右に揺らしている。息が臭かった。すっかりできあがっているようには見えても、所作が嘘をつけていない。後ろでまとめた長髪を撫でる指先が、微妙に震えていた。
 三男のエルナンはというと、眠たげにあくびを噛み殺している。指の背で目を擦るが、涙は出ていなかった。大仰に音をたてて肘をついてみても、白々しさは拭えない。
 それぞれ下を向いたり、首を捻ったりしているが、その実三人の視線は一点に集中していた。
 厨房を背にして、裂け目の走る古いテーブルの先。ランプの灯りがかろうじて及ぶ、薄暗い一角だ。寝室の入り口近くに、セルダ家の王と奴隷たる少女がいた。
 ヘルマンは全裸だった。足を大きく開き、逞しい体躯を堂々と晒して立っている。闇に半ば溶けた姿は、肌の色も手伝って巨大な影と間違いそうだ。黄ばんだ眼と白黒混じりのまだら髭が、薄暗いせいかやけに目立つ。
 丸太のごとき強靭な太股の前に、うつむく少女の顔があった。床に置かれた木桶の上で、白い手拭いを絞っている。木桶には八分ほど水が入っていて、捻られた布から滴る水がちゃぱちゃぱと音をたてた。
 身につけているブラウスは、肌と等しく白い。肩から胸にかけて、ところどころ濡れていた。水を吸った布地は肌の色を透けさせている。薄紅色の乳首が淡く見えた。
 長い睫毛を伏せたまま、キーラは腰を上げた。ふたりの背には隔たりが大きい。巨体のヘルマンの前では、童女に等しかった。筋の通った鼻先が、鳩尾よりも低い。
 広い胸板の上を濡れた手拭いが滑っていく。幾度か往復するだけで、白布に黒ずみが広がった。鉱山での、一日分の仕事の汚れだ。坑内に舞う粉塵を、汗が吸い寄せてしまうものらしい。
 手拭いが汚れては水桶で洗い、力いっぱいに絞りあげる。澄んでいた水が、たちまち茶褐色に染まった。垢がきらきらと、水面に光っている。
 黒い肌を擦る手に、力が入っていた。汚れはきれいに拭いとらなければならない。少女の額に玉の汗が浮いている。薄目から覗くとび色の瞳に、疲れが見えた。
 この地方には入浴の習慣がない。身体の汚れを落とすといえば、清拭だった。
 井戸水に浸した手拭いで身体を隅々まで拭う。季節によっては湯を用いるが、五人分となると大量の水を沸かす必要があった。燃料の薪も無駄にはできない。一年の大半は地下水の冷たさに耐えねばならなかった。
 悪天候のおかげで室温が低い。重ね着が必要なくらいだった。裸でいるだけでも震えがきそうなのに、冷水で浸した手拭いを押し当てられてもヘルマンは平然としている。気持ちよさそうに目を細め、鍛え抜かれた胸板をふてぶてしく張っていた。
 キーラは休みなく手を働かせた。冷たい水のせいで、掌から指にかけてが赤い。冷たさを通り越し、痛みが走っているのだろう。ときおり顔をしかめている。生まれつきの困り顔が、泣き顔へと移りつつあった。
 布を握りしめる小さな手が、徐々に降りていく。割れた腹筋の溝を抉るように拭い、太い腰を何週も巡る。清められた先から、体毛が逆立ちはじめた。湯気がかすかに昇っている。
 少し離れた食卓で、ファビオが喉を鳴らした。大量の唾を溜めていたのだろう。家屋を揺らす嵐の騒がしさにも劣らぬ、大きな音だった。
 兄も弟も、ぴくりとも反応しなかった。本人でさえ唾液を飲んだことに気づいていないのかもしれない。
 彼らの意識はテーブルの先にあった。幼い共有妻と父の姿に、目も心も奪われてしまっている。六つの眼球には例外なく血の筋が浮いており、淵も赤い。瞬きする間すら惜しんでいるのかもしれない。
 ファビオは無意識に身を傾けているし、エルナンなど目を擦っていたのも忘れて唇を舐めまわしている。あくまで平静を装うイケルの鼻は、穴ごと横に広がっていた。誰もが欲情し、興奮を抑えられない。屋外で荒れ狂う風雨の音も、耳に入っていないようだった。
 少女の腰が位置を下げていた。男の脚の上を、赤みを帯びた手が這っている。大木の幹を思わせる太股を擦り、汚れの溜まりやすい膝の裏を何度も拭う。心なしか動作がにぶく見える。
 股間や尻は最後に洗うよう命じられているのだろう。ヘルマンの男根は、跪くキーラの頭上で天を衝いていた。
 巨根から放たれる体熱が少女の額に伝わる。触れているわけでもないのに、髪の毛が焦げそうなほど熱い。額に浮いた汗が眉間を流れていく。
 幸薄げに細められた目は冷たい床へ向けられている。澄んだ瞳に、うっすらと涙が滲んだ。
 足指の一本一本をていねいに清め終えたところで、巨体の腰が突き出された。大きな足の甲を膝に抱えていたキーラには、避けようがなかった。子供の拳大ほどもある睾丸が、黒髪の生え際へと押しつけられる。
「うっ……」
 陰嚢は部屋の冷気をものともせず、縮こまるどころか膨らみを増していた。灼けそうなほど熱く、どくどくと脈打っている。巨大な玉袋を額に乗せたまま、少女は諦めた表情で顔を上げた。
 冷水に濡れた手で、硬く張りつめた肉棒を握る。両手で包んだ剛直は、睾丸よりもさらに熱かった。そっと触れるくらいの力で上下に扱きつつ、キーラは男の股間から顔を離した。
 光源たるランプは遠く食卓の上に吊るされている。部屋の隅、壁を背にしたヘルマンの顔にまで明かりは届かない。膝を床に置いた少女が仰いでも、顔色を窺うには至らなかった。
 薄闇の中、目玉だけが炯々とキーラを射ている。猛り狂う男根越しに、頬から下を覆うまだら髭が持ち上がるのが見えた。つづいて、黄色い歯が。
 長い睫毛が伏せられる。紅いくちびるの間から、白い息がこぼれた。黒い三つ編みが小さな背で揺れている。冷えきって赤みの増した手が、木桶の中で水音をたてていた。
 水にたっぷりと浸したのち、少女は男の股間を洗いはじめた。
 今度は素手だ。繊細な指が、陰毛に絡みつく汚れをつまみ取る。もう片方の手は、ごつごつと硬い尻の上を撫でていた。こびりついていた汚れが、指の側面の色を変えていく。
 汚れを水の中に落としては、また拭う。布が手に変わっただけではない。より丁寧に、丹念に洗うことを要求される。股間周りだけで、他の部位の倍は時間をかけることになっていた。
 家長の肉体は尊いものであり、敬いつつ綺麗にさせていただかねばならない。逞しさの象徴たる男性器は、とくに大事に磨きあげるよう念を押されていた。
 儀式のようなものだった。ほぼ毎日、キーラはヘルマンの全身を清めている。息子たちふたりに割り当てられている日を除いて、主人の身体にこびりついた汚れを落とすのが日課となっていた。
 もっとも、居間で行うのは異例のことだ。場所は常に寝室であるはずだった。清拭を終えるまで、息子たちの立ち入りを禁じている。なぜ今日に限って三兄弟の目に晒すのか、キーラには理由がわからない。
 端整な顔が翳り、わずかに弧を描く睫毛が瞳を隠す。隠したいのはとび色の瞳だけではない。少女は自分自身を消してしまいたいとさえ思っていた。
 背後からの視線が、衣服を貫いて痛い。劣情によって血走った六つの眼に犯されているようだ。見えない手がブラウスの隙間から侵入して、身体中を弄られている錯覚を起こす。発育途上の敏感な乳の先が、いつの間にか硬い突起をつくっていた。
 キーラには、彼らの目が苦痛でならなかった。
 裸を見られているわけではない。ブラウスもスカートも身につけている。素肌を晒すか否かが問題ではないらしかった。
 ベッドの上では、貫かれて喘ぐさまを、毎日毎夜、ときには夜が明けるまで覗かれている。脚をいっぱいに開かされ、局部を間近で凝視されることもある。手足をついて這い、尻の穴まで晒すことも少なくはない。未熟な身体は日々あますところなく観察され、男たちの目に触れていない箇所は存在しないといっていい。
 それでも衣服を身につけている今のほうが、はるかに耐えがたく思う。
 彼らの息づかいが、すぐそばに聞こえる気がした。食卓まで少女の足で六、七歩。わずかな距離とはいっても、隣り合う寝室のベッドの間よりはずっと遠い。それなのに、湿った鼻息を耳もとに吹きかけられているように感じる。
 ランプの光のせいかもしれない。薄暗いとはいえ、明かりは壁際に立つ大男の胸まで届いている。細い指がそそり立つ肉棒を愛撫する動きくらいは、十分に視認できるだろう。オイルの匂い漂う人工の灯は、月明かりよりも遠慮がない。見られている、という意識はいやでも高まる。幼い白肌が抵抗を覚えたとしてもおかしくはなかった。
(はやく、終わりに、したい……)
 少女が願うのは今夜に限ったことではない。セルダ家に迎えられてから半年が経つが、未だに慣れることができなかった。後方からまとわりつく視線も、見下ろすヘルマンの淀んだ眼にも、まるで免疫がつかない。
 願ったところで行為が終わるものではなかった。入念に洗うよう、厳しく仰せつけられているのだ。股の周囲に広がる体毛の一本一本を、陰嚢の皺の間に溜まった汚れを、縮れ毛の密生する肛門までをも、やさしく、心をこめて清めなくてはならない。
 キーラの両手は、幾度も水桶と大男の局部を往復する。肘にまで鋭い痛みが走るほど、木桶の水は冷えきっていた。指先は痺れ、感覚を失いかけている。このままでは皸(あかぎれ)を起こしそうだった。
「あっ……」
 柔らかな頬へ、ふいに硬いものが押しつけられる。勃起して高い熱を帯びた肉茎だった。目を伏せていたせいで、肌に触れるまで気がつかなかったのだろう。驚きに少女の目は見開かれ、大きな瞳が珍しくその姿のすべてを現していた。
「やれ」
 頭上から、しわがれ声の命令が下る。
「……う……は、はい……」
 消え入りそうな声で返答すると、キーラは水桶の中に沈む手拭いに手を伸ばした。
 目尻に向けて垂れた目が、糸に近く薄い。美形なだけに、ひどく儚く見える。雫が頬を濡らしていないのが、不思議なくらいだった。
 力がうまく伝わらない手で、懸命に布を絞る。白い息を吹きかけるが、手は凍えたままだ。少女は眉間に皺をつくり、小さく首を振った。睫毛に光るものがある。
 汚れが染みついた面を裏にして、キーラは手拭いを巨大な男根の幹に乗せた。蒸気がゆらゆらと立ち昇る。灼ける音こそ発しないものの、熱した鉄に水を浴びせたかのようだった。
 左右から濡れ布に包まれた肉棒を、ふるえる手が挟む。たった数秒しか経っていないのに、手拭いはすでに冷たくはなかった。獣欲に猛る男根の熱を吸収しているのだ。
(あ……。あったかい……)
 少女の頬が、かすかに緩む。皮肉なことに、勃起の熱のおかげで凍えていた指の感覚が戻りつつあった。
 両手で握りしめながら、つやつやと黒光りする肉棒の先をうっとりと見つめてしまう。いまのキーラにとって、温かさは頼もしさと同じ意味を持っていた。布越しの体温に、寄りぎみだった眉が和らぎつつある。
「あっ……」
 手の中で二、三度、男根が跳ねた。
 催促されている。キーラは悟るまでに数秒を要した。おそるおそる、薄目で傲慢な主人を見上げる。
 並びの悪い黄ばんだ歯が、剥き出しになっていた。漏れ出た唾液が、まだら髭へ垂れて汚い。
 機嫌を損ねたわけではなかったらしい。小さく息を吐いて、少女はすぐに目を逸らした。
 安心というには遠かった。気を緩めるわけにはいかない。セルダ家の暴君は気難しい。いつ低気圧に変わるかわかったものではない。劣情に酔っているうちに、奉仕を再開する必要があった。
 手拭いで覆われた勃起を掴む指に力が入った。肉茎は欲の強さを現して硬く、高ぶりを伝えて熱い。浮きあがった血の管の形を、濡れ布を間にしてもはっきりと確かめることができる。キーラはゆっくりと擦りはじめた。
 下着に保護されていただけあって、さすがに粉塵は少ない。付着しているのは、汗や脂の垢がほとんどだった。とはいっても過酷な労働を一日こなした汚れだ。湿った布を前後に往復させているうちに、アンモニア臭が漂いはじめる。膨張した先端は鼻先に近かったが、少女の表情がくずれることはなかった。
 獣じみた体臭には慣らされている。もちろん好ましいものでない。小便と汗の入り混じる悪臭など、好きになれるはずもなかった。顔をしかめたり、避けるといった行為が、男たちの不興を買うことを知っているのだ。
 キーラは父子三人の性玩具として、休みなく日々を過ごしてきた。彼らの前でどう振る舞えば喜び、そして不快を覚えるかを心得ている。性癖も然りだ。各々の愛撫や性交の際の好みも、白い肌に染みわたるほど刻みこまれていた。
 肉棒を挟む手に、生温かい滴りが落ちる。泡だった液体の正体は唾液だ。少女は主の顔を仰ぎ見ることなく、甲についた涎を舐めとった。みずから顔を近づけ、猫のように舌を出して。
 白い喉が動くとともに、手拭いが取り除かれた。男根は膨張を増して、いまにも破裂しそうだった。赤黒い亀頭の表面には萎びたところがない。透明な雫が、先端の小さな裂け目から浮き出ている。
 ぽたり、と、今度は肉棒の上に唾液が落下した。さっきよりも量が多い。根もとから半ばまで、黄色がかった涎が広がる。キーラは顎を動かさず、視線だけで巨躯の顔を窺った。
 目に入ったのは舌だった。跪く幼な妻に向けて、ヘルマンは舌を長く伸ばしている。
 滑稽というよりも不気味だった。
 十歳にも満たぬ小僧ではない。間もなく五十に手が届こうという、しかも町一番の大男なのだ。子供をあやしているわけでもない。ふざけている風にも見えなかった。にこりともせず、目を見開いて舌を出している姿は、気味が悪いというほかには形容しがたい。
 だが共有妻は主の見苦しい姿を見て、その欲するところを知ったらしい。身を竦ませていたのはほんの数秒のことで、遊ばせておいた手を再度剛毛で埋まった股間へと向けた。
 双の手が、牡汁で重い睾丸を下からそっと掬いあげる。宝物でも扱うような、丁重な手つきだった。
 六分がた開いた瞼の下で、とび色の瞳が揺れている。ちらちらとヘルマンの顔を見上げるが、舌を出して微動だにしないのを見て視線を定めた。先走りの垂れる、勃起の先へと。
 紅いくちびるが開かれた。かすかに痙攣が見られる。こぢんまりとして可愛らしい舌が姿を現すまで、ふた呼吸ばかりの間があった。
 差し出された舌は、顎へ垂れていっぱいに伸ばされている。
 苦しいのか、悲しいのか、あるいは両方かもしれない。まだら髭を見つめる瞳は潤み、涙は頬を伝いはじめた。滑稽と笑うには、こちらの場合哀れにすぎる。
 己の分厚い唇を髭ごと舐めまわしたのち、ヘルマンは舌を口の中へ収めた。少女が薄紅色の舌を見せたのと、ほぼ同時だった。鼻の穴が満足げに開いている。
 無言の命令であり、かつ見本でもあったのだろう。キーラは暴君の命に従い、舌を突き出したままだ。目の淵から涙をこぼしながら、上目づかいにヘルマンを見つめている。膝をついて指示を待つ忠実な姿は、躾の行き届いた仔犬を思わせた。
 褐色の大男は腰に両の手を当てると、緩慢な動作で硬そうな尻を前へと押し出した。
 膨らんだ亀頭が狙いをつけているのは、むろん幼な妻の開かれた口だ。主人の性器を歓迎すべく、温かく湿った舌が用意されている。剛直は歓喜に震え、涙とも涎ともつかぬ透明な粘液をだらだらと滴らせていた。
「えう……」
 先端が触れる。少女の眉が険しく寄せられた。
 溢れる先走りを味あわせたいのだろう。ヘルマンが細かく腰を揺すった。濡れた粘膜の上を、赤黒い亀頭の裏側が何度も行き来する。
 キーラの喉の奥から、小さな悲鳴が断続して漏れた。舌の上に独特の臭気と苦味が広がっている。絶えず吐き気が襲ってきて、息を吸うのもつらい。
 涙の膜ごしに、まだら髭がにたついているのが見えた。目を細め、鼻にかかった声で訴えてみるも、いかつい腰の律動は止まらない。むしろ小娘を虐げる悦びに火をつけてしまったらしく、硬い勃起の先を圧迫させてくる。顎と亀頭に挟まれた舌に逃げ場所はなく、少女はただ涙をこぼすことしかできなかった。
「うぅ、えぇっ……えうぅ……」
 堪えに堪えて、キーラは肉棒による責めが緩む隙をついた。突きこんでくる勃起の裏側に、舌をいっぱいに押しつける。急な反撃に、男性器がまず反応した。どろり、と、白みがかった液体が舌の上を流れる。往復運動は止んでいた。
 献身的な奉仕がはじまった。頬を太い筋ができるほど濡らしつつも、暴れる肉棒を懸命に舐めあげる。両手の上にある玉袋を揉みほぐすことも忘れない。少女の絶妙な愛撫に、黒い下半身がぶるぶると大きな揺れを繰り返した。
「あん、む……」
 キーラは肥大した亀頭を口に含んだ。挟みこんだくちびるが、じんじんと熱い。
 わずかに遅れて、両手を青々と血管の浮く肉茎に添える。息子たちと比べても、格段に巨きい男根だった。口いっぱいに頬張ったところで、半ばまでにしか至らない。付け根から中間までを刺激するためには、左右の手で挟んで扱く必要があった。
「んく……ちゅ……んっ……」
 紅いくちびるが男根を柔らかに吸う。唾液で滑らせて含んでは吸い、吸いつつ外気に触れさせていく。
 掌と指は口とは対称に動いた。紅唇が肉棒の先端へ吸いあげていくのにあわせて根元へと向かい、含んでいくのと同時に茎の中央へと流れる。
 扱きあげる指はしかし、けして単調ではない。両掌は妖しくかたちを変えた。巨根を挟む手を左右から上下に移したり、肉茎の底を擦りつつ指を伸ばして睾丸を刺激する。指先の動きは淫らで、力加減も絶妙だった。
 小さな掌いっぱいを使って扱かれたかと思うと、いいところで勢いが緩む。力の抜けた指がもどかしい。焦らされているのだ。褐色の太い脚が震える間隔が、しだいに短くなっていた。
「うぅ、む……」
 まだら髭の間から、呻きがこぼれた。
 温かい口内で男根が細かく跳ねて、次々と臭みのある汁を吐き出す。外に放たれていれば透明ではないことが確認できただろう。
 舌の上に撒き散らされた粘液を、キーラはみずから進んで舐めとった。亀頭の小さな裂け目にまで舌を押しつけ、糸を引く汁ごと擦りあげる。臭いも濃さも、先ほど与えられたものよりずっと強い。
「んっ……く……」
 息を止めて喉の奥に送る。嚥下する音が、部屋の中央にまで大きく響いた。
 雨はいつしか小降りになっていたらしい。背後でこちらを凝視する男たちの乱れた呼吸が、少女の耳にはっきりと届いていた。今度は気のせいではない。肌がぴりぴりと拒絶を訴えたが、キーラは無視した。
 後ろには誰もいない。イケルもファビオも、そしてエルナンも、わたしを見てはいない。同じ部屋にいない。自分に言い聞かせる。自己暗示だ。少女はいつも、そうして辛い時間を耐え忍ぶ。
 すでに口腔内は牡の臭いで満たされている。
 淵を紅く染めた目が痛々しい。眉尻が小刻みに揺れて辛そうだ。
 なのに、切なげに濡れた瞳は誘っているふうに見える。瞬きは少なく、眼は揺らぎもしない。髭と皺だらけの黒い顔から、いっときも逸れることはなかった。
 紅いくちびるが発する淫らな音と鼻声にも、哀願とは別の響きが窺える。甘えと、媚びだ。男の欲を奮い立たせる、扇情的な音色が奏でられていた。
 褐色の暴君の息が荒い。十三歳の幼な妻が見せたかすかな媚態に、全身の血を滾らせている。髭に囲まれた頬が、大量の酒を含んだように赤い。黒い獣の興奮を、巧みな愛撫がいっそう高める。眼球には赤く細い線が駆け巡り、瞼は広く開かれていた。
 少女の小ぶりな頭部を、広く分厚い掌が包む。背に垂れる三つ編み以外の黒髪が、両の手にすっぽりと覆われた。節瘤(ふしこぶ)だった太い指で固定したところで、体毛に埋もれた黒い胴体がゆっくりと動き出す。
 壊れやすい未熟な肉体を案ずる思考は、すでに失われているらしい。今のヘルマンには、白い欲望を放出することしか考えられない。発情期の牡と同じだった。
 獣欲を解き放たれた下半身が、キーラに迫っていた。
 勃起がくちびるを押し広げて侵入してくる。黒い勃起は口を裂かれそうなほど肥大していた。顎が痺れそうだったが、今はそれどころではない。
 褐色の股間は少女の顔へ接近を続けている。首を振って拒もうとするも、顎の先端すら動かせなかった。後頭部から額までを、怪力でもって鷲づかみにされている。その気になれば、頭を握りつぶされそうだ。
 呼吸が苦しい。舌の上を赤絨毯代わりに進む男根は、窮屈な口内を満たしつつあった。
「うぐっ……!」
 喉の入り口を突かれ、キーラが苦しげな声を漏らした。嘔吐感がこみあげてくる。とても耐えられそうになかった。陰毛の繁る根もとに両掌をあて、押し戻そうと必死の抵抗を試みる。
 背丈、体格、性別の差は、そのまま腕力の差につながる。少女が渾身の力で押しても、巨体はびくとも動かない。地中深くに根づいた大木を、素手で倒そうとしているようなものだった。
「えうぅ~っ……! うええっ……」
 ぽろぽろと大粒の雫が、紅潮した頬を滴っていく。涙声で苦痛を訴えても、ヘルマンは意に介さない。むしろ少女の悲鳴は劣情を煽り、褐色の主の眼に嗜虐の炎を浮かびあがらせていた。
 筋肉で肥大した腰が、前後に揺れはじめる。黒髪の頭部は豪腕に挟まれ、万力で固定された板も同様だった。首にいくら力を入れようとも、ぴくりとも動かない。凶暴なまでに膨張した勃起から、キーラは逃れようもなかった。慎ましくも可憐な舌に亀頭を擦りつけられ、喉近くまで挿しこまれるのを、ただ耐えるほかない。
「うぐっ! えうっ! んうぅっ!」
 紅いくちびるを押し広げて、硬く張りつめた肉棒が滑る。摩擦がはげしかった。肉茎の表面に唾液の膜が重なっていく。ぬらぬらと光る体液は男を高ぶらせただけでなく、潤滑油の役割をも果たしていた。男根の通過をなめらかにし、往復をいっそう速めさせる。くぐもった少女の泣き声もまた、短く、そして高くなっていった。
 ヘルマンにとって、幼な妻の小さな口は性器でしかない。
 柔らかな紅唇は吸いつきのいい陰唇であり、濡れて温かな口内は居心地の良い膣だった。甲高い悲鳴は耳をくすぐる甘い艶声に聞こえるらしく、彼を悦ばせるだけだ。抗議や懇願の意思が認められることはない。吐精の予感を愉しむ暴君に、ひとしずくの水さえ差せるものではなかった。
(くるしっ、くるしいっ……! 死ぬ……死んじゃうっ……!)
 キーラは気を失いかけていた。巨根の猛攻を避けるすべを、彼女はもたない。なされるがままだった。喉を突かれて吐き気が襲ってくるし、呼吸も苦しい。自分の悲鳴が、どこか遠かった。
 それでも、くちびるを懸命にすぼめることだけは忘れない。黒い勃起に歯を立てぬための用心だ。家長の機嫌を損ねることは、気を失うよりも免れたいものであるらしい。遠ざかりかけた意識の中ですら、少女は褐色の主人をなにより恐れている。
「んぐぅっ……! ぢゅっっ、ぢゅぷっ……!」
 唾液が細い顎にまで垂れていた。健気な紅唇は、どれだけ乱暴に擦られても吸いつくことをやめない。とび色の瞳は焦点を見失いかけているというのに、肉棒の抽送にあわせて締めつけてはすすりあげる。柔らかな感覚器それじたいが意思を持っているかのようだ。
「ふっ、ふぅっ、ふぉっ……!」
 引き締まった尻が、慌しく振動している。ひどく小刻みだった。呼吸も不規則に短い。荒れた唇は半ば開いたままで、白黒のまだら髭が涎で濡れていた。
 射精が間近に迫っている。離れた位置から凝視する三人から見ても、その気配は明らかだった。十秒と待たぬうちに、少女の口内は精液で満たされる。
 唯一、獣の欲望を受け止めるはずの本人だけが悟っていなかった。
 キーラはほぼ無意識下で奉仕を続けていた。黒い勃起を濡れたくちびるで扱き、擦りぬける亀頭に不自由な舌を押しつける。教えこまれた性戯を余すところなく振るい、従順に尽くす。半年間に及ぶ性調教が、十三歳の少女を奉仕人形に変えていた。失神近くまで追いこまれても、なお主の性器を絶頂へ導かんとする哀れな性人形に。
「むおおぅッ……!」
 獣が吼える。黒い巨体がぶるっと震えた。太い腰は反り、膨れあがった肉棒は紅いくちびるの奥へと侵入する。放出寸前の亀頭が、喉の入り口を突く。はげしい脈動がはじまった。
「おおおおぉ……」
「んむううっ……!?」
 断末魔に似た男の呻きと、少女の悲鳴は同時だった。白濁が勢いよく喉を叩いたことで、キーラは我に返ったのだ。とつぜん意識がつながったといってもいい。
「うッ……!」
 次なる悲鳴は太い男の声だった。吐精の快感に呆けていた顔は苦痛に歪み、口腔深く挿し入れていた勃起は叫びとともに引き抜かれた。
「けほっ、けほっ……うええっ……えうっ……」
 俯く少女の口の間から、濃度の高い精液が垂れる。咳きこむたびに、太い糸が途切れた。
 万力じみた掌の圧力は頭部から去っていたが、黒髪の生え際に白濁の洗礼を受けることになった。注ぎこむべき場所を見失った男根は、断続的に粘液を撒き散らす。脈打つたびに勢いよく放たれる熱い牡汁のほとんどは、首を垂れるキーラの額へと降りかかった。流れる白液が、ととのった顔を汚していく。
 額も頬も、粘つく臭い液体にまみれた。つやのある黒髪も例外ではない。前髪を伝う滴りが、床についた手の甲へぽたぽたと落下する。弱々しい咳とともに吐き出される白濁が、その横に水溜りをつくっていた。
 ヘルマンは放出を終えてもその場を動こうとしなかった。少女の息が整うのを待っているのだ。みずからも深く呼吸を繰り返しながら、静かに佇んでいる。
「あ……」
 回復したキーラは、主を見上げて色を失う。
 薄暗く、表情までは見えない。乱雑に生やしたまだらな髭が見えるだけだ。だが巨体の全身から漂う怒気は隠しようがなかった。褐色の肌を埋める体毛が、逆立っている。
 おびえる瞳に、屹立したままの黒い男根が映る。根もと近くに、幾つもの小さな歯型が刻まれていた。痛々しい窪みには、うっすらと血が滲んで見えた。
「ごめんなさい、ごめんなさいっ……! どうか、おゆるし、ください……」
 罪の大きさを悟った少女は、肉体の消耗も忘れて平伏した。泡だつ体液で汚れる床に額を擦りつけ、心から許しを乞う。狭い肩も、縮めた背も、がたがたとふるえている。
 沈黙が続いた。
 しとしと降る雨音が、審判を待つキーラの神経をいたぶる。
 絶対権力を持つ家長の性器を傷つけてしまった。意識が飛んでいたとはいえ、血が出るほど噛んでしまっている。弁明の余地はない。どんな罰を与えられるのか。とても平静を保ってはいられなかった。
 この家ではヘルマンこそが法律だった。共有妻への暴力は禁じられているが、そう決めたのはヘルマン自身なのだ。暴君の気分しだいで、いくらでも特例はつくられる。生殺与奪の権利を握られているといっても過言ではない。
 裁定が下るのが恐ろしい。失禁してしまいそうだった。噛みあうことを忘れた歯が、かちかちと小競りあいをはじめる。あまりの恐怖に、泣き出すこともできない。
「尻を出せ」
 しわがれた声は背後からだった。いつの間にか移動していたらしい。
「早くしろ、キーラ」
 苛立ちが含まれている。すぐに返事をするべきだったが、声が出ない。これ以上、怒らせるわけにはいかなかった。がくがくと揺れる手足を奮い起こし、キーラは命令に従おうとする。しかし、肉体は極度の緊張状態にあった。
「あうう……」
 憤りの真っ最中にあったヘルマンも、いっとき怒りを忘れた。口の周りを覆うまだら髭がなければ、苦笑を確認できたかもしれない。身を起こそうとして失敗した少女の体勢は、それほどおかしなものだった。
 上体がまったく動いていなかった。肩も胸も低い位置にあって、両掌も床から少しも浮いていない。頭部の前にそっくり並べてある。
 必死の願いを聞き入れてくれたのは、膝くらいのものだった。立ち上がろうと力を入れたのだろう。太ももが垂直に近い。上半身は伏せられたまま、尻だけが高くかかげられた格好になっていた。
「ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ……」
 なんとか顔だけを後方へ向け、涙をこぼして謝罪する。上半身に叱咤をかけようとするものの、今度は力が抜けて動かない。哀願すること以外、少女にできることはなかった。
「…………」
 返答はない。かわりに、ポキポキと関節を鳴らす音が聞こえた。首でも廻したのだろうか。肩にも力が入らないおかげで、首の稼動範囲が狭い。後ろを見ることも難しかった。褐色の主人の姿は、視界の端にぼんやりと確認できるだけだ。
「ひっ……!」
 尻の上を這うものがあった。
 もちろんヘルマンの手だろう。スカートの上を、無遠慮に弄っている。厚手の生地が気に入らないのか、手つきが荒々しい。撫でるというよりは揉みしだかれていた。
「脱がすぞ」
 声が耳に届くより早く、小ぶりな臀部が剥き出しになる。スカートは引き降ろされ、床に接した膝の周りに留まっている。千切れんばかりの勢いだった。
 キーラは今夜も下着をつけていない。月経の時期を除いて、夕方以降に下着を身につけることは許されていなかった。
 常に性の玩具にされる用意をしておかねばならない。男たちにとって、下着は邪魔ものでしかなかった。求められれば、いついかなる場所でもスカートをたくし上げ、股を開いて当日の主を受け容れる。セルダ家における共有妻とは、そのような存在だった。
 白い尻がぷるぷると痙攣している。
 室温は低いが、寒さのためだけではない。濡れた瞳にはおびえの色が浮いている。半ば伏した瞼が、不安そうに瞬きを繰り返していた。
 少女のものより二周りは大きな手が、小さな尻を包む。まだ少年のような硬さが残っている。もう二、三年経てば、弾力性に富んだ、柔らかく丸い桃尻になることだろう。ヘルマンは成長を確かめるように、揉んではさすり続けた。
(いや……こわい、よ……)
 高く突き出した尻を撫でられながら、キーラは全身をこわばらせている。薄い胸が、不安に押しつぶされそうだった。
 尻を打たれる。覚悟しようと身構えても、呼吸は落ち着かない。衝撃と痛みを想像するだけで悲鳴をあげてしまいそうだった。
 ヘルマンはしばしば幼な妻の尻に打擲を与えた。大半は些細なことだ。食事の味つけ、返事の遅れ、さらには機嫌が悪いという理由だけで叩くこともある。スカートの上から打つこともあれば、腰まで捲り上げさせて素肌を晒すときもあった。強弱もまちまちで、罪過の大小に関係しない。つまるところはすべて彼の気分によって左右される。
 白い尻を剥いて叩くのは、憤りが強いことのあらわれだった。平手の勢いは凄まじく、打つ音にともなう痛みは少女の頬を涙で濡らし、心からの謝罪と哀願を繰り返させる。尿を漏れさせたこともあった。
(きっと、すごく、怒ってる……)
 少女は完全に萎縮してしまっていた。平手でのお仕置きは一度ではすまないかもしれない。耐えられそうになかった。血の気を失っているのが、自分でもわかる。
 どんなに怖くとも、抗うことは許されない。いま余計なことを口にすれば、さらに主の感情を害しそうだった。やがて襲いくる一撃を、じっと待つほかはない。
 太もも近くにあった広い掌が、肌から離れる。キーラからは見えないが、手首や肘を返したのちに強烈な平手が打たれるはずだった。
「ひっ……!?」
 予想に反して、打擲する音は響かなかった。少女の放った短い悲鳴は苦痛によるものではない。驚きが多くを占めている。緊張に凝り固まっていた上体が、わずかに浮き上がっていた。
 白い双丘の谷間に、体毛に覆われた手が添えられている。黒い指先が、小さなすぼまりの上にあった。
「あ……そ、そこ、は……」
 ようやく振り向くことのできたキーラの瞳に、暴君の顔が映る。皺だらけの髭面には、淫猥な笑みがくっきりと刻まれていた。乱杭歯がいつもより黄色く見える。
(いや……! そんな、ところ……)
 心の叫びは表に出ることはなかった。慎ましげな穴を撫でられても、息を殺して身をよじることしかできない。拒絶の意思を伝えるのは粟立ちはじめた肌と、不自然に固い関節だけだった。抗いを口にすることさえ、少女にとっては不可能に近い難事であるらしい。服従することでしか生きられない哀れさが、耐え忍ぶ表情に滲み出ていた。
「そのうち、こっちも可愛がってやる」
 地を這うような声だった。かすかに下卑た響きがこもっている。
 キーラに反応はなかった。意味が通じなかったというより、考える余裕がないのだろう。恐怖は少女の思考までをも凍りつかせている。窪みをくすぐっていた手が去っても、しばらくは身を縮めたままだった。
 動きがあったのは食卓だ。がたがたと椅子が揺れる音が響く。ふたりが立ち上がっていた。
 イケルとエルナンだった。長男は顔を赤く染めて父を睨みつけ、三男は拳を握りしめて蒼ざめた顔を下に向けている。年齢も性格も違うふたりだが、共通して父の台詞に激していることは疑いようがない。短気なファビオならともかく、ふたりが憤りを露わにすることは珍しかった。
 当の本人であるヘルマンは、彼らに一瞥もくれなかった。暴君の視線は常にキーラを捉えている。夜ははじまったばかりなのだ。劣情の炎は衰えることを知らない。
「キーラ」
 褐色の主に命じられ、三つ編みの少女はのそのそと身を起こす。スカートを穿くことは許されなかった。下半身を晒した状態で、新たな奉仕を行わなければならない。顔や髪には、乾いてへばりついた白い体液が残っている。
「舐めろ」
 眼前に、足の甲が突き出された。
 両手にうやうやしく押し戴き、キーラはみずから顔を近づけていった。睫毛を伏せ、親指に口をつける。伸ばした舌でまんべんなく濡らしたのちに、ゆっくりと口に含む。一本一本の指を、同じように丁寧にしゃぶっていく。
「今夜は身体中を舐めさせてやる。肛門を、とくに念入りにな」
 太い声を聞きながら、キーラはちらり、と頭上を仰ぎ見た。すでに勃起の先から滴るものがある。
 全身に舌を這わせ終えるまで、おとなしく立っていてくれるはずがなかった。おそらくは、途中で貫かれる。それも一度とは限らない。男根と表情を見るかぎり、いつも以上に高ぶっている様子だった。鼻息がすでに荒い。
 少女はその夜、眠ることを諦めた。



  恣(ほしいまま) ~共有される幼な妻~ 第五話


テーマ:18禁・官能小説 - ジャンル:アダルト

  1. 2010/12/03(金) 20:20:20|
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Author:臥頭狂一
(がとうきょういち)
 日々、頭痛に悩まされながら官能小説を書いています。
 いろいろなジャンルに手を出していくつもりです。よろしければ読んでいってください。
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