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赤いバラの咲く庭で 第九話 (33枚)


 ぼくとママの楽園だった洋館が、いまでは地獄のようだ。
 佐伯は我がもの顔で、うちに「帰って」くる。ママを奴隷のように扱い、亭主というより王様みたいにいばっている。
 ママはすっかり弱り、天使みたいだった微笑みも消えてしまった。
 そしてぼくは、何もできないまま、今日も寝室を覗く……。



  第一話  第二話  第三話  第四話  第五話  第六話  第七話  第八話  第十話  最終話



「くううっ……」
 男がぶるぶると全身を震わせた。引きしまった尻にくぼみができている。下にいるママの股間に下腹部をぐいぐい押しつけて、金玉をぴくぴくさせた。しわが寄ったシーツがじゃまでよくは見えないけれど、どくどくと射精していることはわかる。
「ふうっ、ふう……」
 ぜえぜえと荒い息を吐きながら、佐伯は白いからだの上に全身をあずけた。背中には汗の玉がいくつも浮いている。ママは人形のように動かない。ごつい手が大きなおっぱいを乱暴につかんでも、ぴくりともしなかった。
「今日もたっぷり注いでやったぞ。嬉しいだろう」
「……は、い……旦那さま……ありがとう、ございます……」
 ママの声が弱々しい。カーテン越しに入る夕日に照らされていたけれど、それでもなお肌は青白く見える。ママはどんなときでもきれいだ。辛そうにしてるときでも、ぼくの心をとらえて放さない。できることなら、抱きしめてなぐさめてあげたかった。
 男のからだが離れる。いつものように、ベッドから降りてタバコでも吸うのかと思ったけど、そうではなかった。ぐったりしているママの胸の上に、腰を降ろしたんだ。
「くう……」
 苦しそうな声が聞こえた。太ってはいないけれど、あいつのからだは大きい。きっと重いんだろう。男のお尻が、柔らかいお乳をつぶしていた。ママが辛そうな声をあげても、佐伯は容赦なくどっかりと乗っかっている。ごつごつした手が、ふわふわの髪をつかんだ。
「綺麗にするんだ」
「は、はい……ん、んぐ……」
 となりの部屋からドアのすきま越しに覗いているぼくには、佐伯のお尻しか見えなかった。でも、ママが何をさせられているかはわかる。汚れたちんちんを、おしゃぶりさせられているんだ。あいつの大きな肉棒を、口に入れて舐めまわしてる。口いっぱいに頬張っているのかもしれない。しゃぶってもらえるのはぼくだけだったのに。ズボンのなかで、勃起したものがずきずきとうずいた。
 男はママの胸の上にまたがったまま、ベッドの横にある棚に手をのばした。上に置いてあったタバコを箱から取り出すと、火をつけてうまそうに吸いはじめる。
「ふふん……わたしに感謝をこめながら、清めるんだぞ」
「ん……ちゅ……はい……」
 耳をすませると、ぴちゃぴちゃと水音が聞こえてくる。ママが、肉棒を舐めている音だ。男は、おっぱいの上に腰を降ろしてくつろいでいる。満足げにたくさんの煙を上に向かって吐いた。
「早く妊娠するといいな。もっと励む必要があるか」
 ママはこれには返事をしなかった。こたえたくないんだろう。当然だ。ママは子供なんか欲しくないんだ。あんたの子供なんか、生みたいはずがない。ぼくだって同じだ。弟も、妹も欲しくなんか、ない。この、きちがいめ。

 佐伯がママを無理やり居間で犯した日から、地獄の日々がはじまった。ぼくはまだいい。直接あの男に何かされるわけではないのだから。問題はママだ。あまりにもひどすぎる。どうしてママが、世界一きれいなひとが、こんな目にあわなければならないんだ。
 あいつはほとんど毎日、家に来るようになった。通ってくるというよりは、帰ってくるといったほうが正しいのかもしれない。佐伯がドアを開ける前に、ママは玄関で正座して待っていなければならなくなった。
「お帰りなさいませ、旦那さま」
 床に手をついて出むかえるママを、あいつはにやにやしながら見つめている。靴も自分では脱がない。ママが丁寧に革靴を脱がせるてくれるのを、あいつは王様気分で見下ろすんだ。
 ぼくがそばにいても、おかまいなしだった。佐伯はこの家の主になったつもりでいる。食卓でも変わらない。偉そうにテーブルにつき、亭主きどりでふるまった。食事の皿を並べるのも、ワインを注ぐのもママにさせる。食後のタバコに火をつけるのも、汚れた口の周りを拭うのだって、ママにやらせるんだ。何かあるたびにママは席を立たなければならない。あいつがいるときには落ち着いて食事もできなかった。
 佐伯はぼくを無視することにしたようだった。話しかけられることはほとんどなくなった。ぼくとしても望むところだ。でも、そのぶんママに負担がかかることになった。TVを観てはくだらない話題を振る。もうすぐはじまるオリンピックのことばかりだ。おかげでどれほど会社が儲かっているかという、結局は自慢話につながる。「わたしがカラーTVをたくさん売っているおかげできみたちはおいしい食事を食べることができるんだ」、と恩に着せることも忘れない。ママはいつも無理に笑顔をつくって感謝のことばを口にしなければならなかった。
 ママの態度が気に入らないと、すぐに機嫌を悪くした。顔を赤くして無口になるから、わかりやすかった。居間では大声をあげたりはしないけれど、ぼくのいないところではママに当り散らしていた。寝室から怒鳴り声が聞こえるのはしょっちゅうだし、佐伯が帰ったあと、ママの頬っぺたが赤くなっていたこともある。女性の顔を叩くなんて、最低の男のすることだと思う。
 佐伯は紳士なんかじゃなかった。今までママを目当てにこの家に訪れた男のなかで、もっともひどいかもしれない。ぼくたちはあいつの見た目にだまされていたんだ。ぱりっとした黒いスーツや高級外車、優しそうに見える外見に、ぼくたちはすっかり油断してしまっていた。あいつは悪魔だ。人間じゃない。
 あの日から、ママの顔からほほ笑みが消えてしまった。夏の陽射しにも負けないくらいにまぶしい笑顔を、ぼくはもう一ヶ月近く見ていない。澄んだ瞳はいつだって悲しげで、長い睫毛によって半分以上が伏せられていた。すべすべの頬が涙で濡れない日はない。
 すべてあいつのせいだ。佐伯がママを苦しめている。なのにぼくには何もできない。無力な自分が悲しかった。悔しかった。今すぐ大人になって、あいつからママを守ってあげたかった。佐伯だけじゃない。もう、ママにぼく以外の男なんか近づけるもんか。
 でも、今のぼくには力がない。ただの子供だった。あの男におどされていいなりになっているママを、救うこともできない。目の前でママが犯されていても、ぼくは指をくわえて見ていることしかできないんだ。
 あの日、佐伯が帰ったあと、ぼくはママからいろいろなことを聞かされていた。ぼくたちがいま、あいつの金で暮らしていること。ママと結婚する気でいること。ママに……子供を生ませようとしていることを。
 冗談じゃない。ママと佐伯が結婚? 恋人っていうだけでも許せないのに、夫になるっていうのか。呼ばせているだけじゃなく、本当に「旦那さま」になるつもりなのか。ぼくの父親になるってことでもある。ふざけるな。ぼくはパパなんか欲しいと思ったことはない。あの男が父親だなんて最悪じゃないか。悪夢としか思えない。
「ママ! いやだよ、そんなの……。あいつと、別れてよ……」
「……ごめんなさい、丈……もう、すこしだけ、がまんして……おねがい、だから……ね? ママがなんとか、するから……」
 ママは泣きながらぼくを抱きしめた。もうすこしだけ? ママはいつもそういうんだ。でも、それでどうにかなるとは思えなかった。佐伯がママをあきらめるはずがない。ぼくががまんし続けたところで、何が変わるっていうんだ。
 けれども、あの日のママを責める気にはならなかった。佐伯に犯されて、身も心も傷ついているんだ。ぼくはママと抱きあって、泣いた。涙を互いになすりつけるように、頬を寄せ合って、ひたすら泣いた。不安に押しつぶされそうな胸を押しつけあって、泣いた。
 佐伯はママを独占するつもりだった。この一ヶ月であいつが来なかった日は二日だけ。昼間でもいきなりやってきたり、帰ったと思ったらまた戻ってくることもある。ぼくとママの関係を疑っているのかもしれない。あいつはぼくがいてもまったく遠慮しなくなった。平気でママを寝室やお風呂に連れて行く。
「さあ、芙美。子づくりだ。いいね?」
 あいつは、ぼくを横目でぼくを見つつ、にやにやと笑うんだ。ぼくの顔が怒りで赤くなるのを、心の中であざ笑っているのに違いない。悔しくてたまらなかった。これからこの男にママが弄ばれると思うと、気が狂いそうになる。殺してやろうかと思ったことも、一度や二度じゃない。
 でも、ママの澄んだ瞳がぼくを止めていた。怒りに震えるぼくを、ママは優しいまなざしで静める。ぼくに間違いを犯してほしくないんだ。わかってはいるけれど、この憤りをぼくはどうしたらいい? ママはただ小さく首を振るだけだ。伏し目がちなママの表情が、すべてをあきらめているみたいに見えて悲しかった。
 ママはあの男の影にすらおびえるようになった。見ていて気の毒なほどだ。インターホンのチャイムが鳴ると、からだがびくりとふるえる。顔は青ざめ、こわばった表情になった。歓迎していないのはあきらかだった。大好きだったバラのお手入れさえ、最近はしていない。あいつに控えるようにいわれているらしい。
 佐伯がいつ現れるかわからないので、ぼくはふたたび、ちんちんを扱いてもらえなくなった。
「がまんして、丈……おねがい。あのひとに見つかったら、わたしたち、一緒にいられなくなるかも、しれない……」
 ママは全身をふるわせながら、青ざめた顔でおねだりするぼくをなだめた。一緒にいられなくなる? 想像したこともなかった。ぞっとして、足ががくがくと震えだした。そんなことがういつにできるのか。いや、あいつならやるかもしれない。もしママと結婚したら父親になるんだ。そうなったら、父親の権限としてぼくを好きにできるのかもしれない。
 ママと離れて暮らす。考えられなかった。そんなことになったら、ぼくは耐えられない。ママのいない生活。間違いなく気が狂ってしまうだろう。ぼくにとって、何よりも恐ろしいことだった。
 ちんちんをおしゃぶりしてほしい。ママのお口のなかで、いっぱい、いっぱいどくどくしたい。むきむきして、舐めまわしてもらいたかった。白いおしっこも、全部吸って欲しかった。でも、背に腹は変えられない。ぼくはひとりでは生きられない。ママなしでは一日だっていられない。
「ごめんね、丈……もうすこしだけ、だから……」
 ママのそのことばに納得はできなかったけれど、あきらめるほかなかった。本当は、悔しくてたまらない。ぼくがしてもらっていたことを、あの男はなんでもしてもらえる。それ以上のこともだ。
 きれいなおっぱいを力いっぱい、揉むことができる。ママが痛いって泣いてもおかまいなしだ。ぼくだけの特権だったおしゃぶりも、佐伯が命じれば断れない。硬い勃起を割れ目の奥へと挿しこんだって拒めない。どこで射精しようと、あいつの自由だ。ママのからだは佐伯の思うがままだった。
 お風呂は無理だけど、寝室は何度も覗いた。佐伯はやりたい放題だった。あいつの命令に、奴隷みたいに従うママ。すこしでもためらったりすると、佐伯は容赦なくママを叩いた。ママは涙を浮かべながら、あいつに奉仕するんだ。
 覗いては目を血走らせる毎日がつづいていた。血がにじむほど唇を噛みしめる。怒りで胸から下がきりきりと痛む。なのにズボンの前がパンパンになるほど、ちんちんを勃起させてしまう。パンツのなかはどろどろだ。射精してしまったんじゃないかというくらい、透明な液を先っぽからあふれさせている。ママがいじめられるのを見て、ぼくははげしい興奮を覚えるようになっていた。
 いけないとは思う。ママが泣いているのに。ひどいことをしていると思う。憎いとさえ思っている男がママをいじめるのを見て勃起させているのだから。佐伯のかわりにママをいじめたいと思いながら、勃起したちんちんを扱いているのだから。
 おしりを叩かれて苦痛の声をあげるママの表情は、歪んでいるけれどうつくしかった。すすり泣くママの声は、ぼくの勃起をさらに硬くする。どうしてベッドの上にいるのがぼくじゃないんだろう。愛しているけれど、いじめたかった。いじめて、泣かせて、おねだりさせてから、勃起したちんちんをママのあそこに挿しこみたかった。
 ごめんね、ママ。ごめんなさい。ぼくは、佐伯を憎みつつも、佐伯と交代したいと思っているんだ。あいつは許せない。くずだ。でも、そのくずと同じことをしたい。ママを、思うぞんぶん、いじめぬいてみたい。
 食い違う想いを胸に抱いたまま、ぼくはふたたびドアのすきまに目を顔を寄せていった。

 ロマンスグレイがベッドに寝そべり、上を向いてタバコをふかしている。寝室の天井近くは煙でいっぱいだ。隣の部屋にいるぼくまで煙たく感じる。咳をすると見つかってしまう。口もとを手で押さえて、煙を吸いこまないように気をつけた。
 投げ出した足に、ママが口をつけている。両手で大事そうにかかとを抱えて、親指をくわえていた。目は伏せられているけれど、睫毛が濡れているのが遠くからでも見えた。
 あいつは今日、お風呂に入っていない。夕方になる前にいきなり来たと思ったら、ママの手を引いて寝室へと向かったんだ。だから足も蒸れて臭いはずだった。洗ってもいない足の指を、佐伯はママにしゃぶらせている。
「ん……えう……」
 指の間に舌を這わせていたママがえずく。不快さに、眉間が寄っていた。あぶらっぽい足の臭いに、吐き気がしたんだろう。
「どうした……? わたしの足を舐めるのはいやか?」
 佐伯が勝ち誇ったように笑う。趣味の悪い口ひげを引き抜いてやりたかった。
「うぇ……い、いいえ……旦那さま」
 ママはあわてて毛の生えた足の指をぺろぺろと舐めた。涙が頬をつたっている。とてもかわいそうだった。でも、はかなげな表情を見ているとぞくぞくする。
 男にうながされて、のばされた舌は足の指からふくらはぎへと向かった。ひろげた脚の間に、ママの顔が進んでいく。さくら色の舌を押しつけたまま、膝の横を、太ももの内側をのぼっていった。遠くで見ているぼくの目にも、唾液でつくられた透明な筋がはっきりと確認できた。
「おっ……おお、いい、ぞ……」
 ロマンスグレイの頭が、ぴくぴくと揺れた。股の間に、ママが顔を埋めている。陰毛で隠れてよく見えないけれど、玉袋を舐めているんだろう。萎れていた肉棒が勃起しはじめていた。
 ちんちんの先っぽがふわふわの前髪をかきわけて、おでこにべったりとくっついている。ママはほんの一瞬いやそうな顔をしたけれど、避けようとはしなかった。佐伯の機嫌を損ねるのがわかっているからだ。
 半勃起した肉棒が、上下に揺れている。舌が金玉を何度も舐め上げているんだ。男が唾を飲みこむ音が、室内に響いた。ちくしょう、気持ちいいんだ。まだ硬くなっていない亀頭が、ママの額にぴた、ぴた、とぶつかっている。
 佐伯が新しいタバコをくわえた。まだまだ奉仕を愉しむつもりらしい。ぼくだけの権利だった、ママのおしゃぶりを。
「ん。ちゅ……んく……」
 紅いくちびるが、浅黒い肉の棒を包んでいく。勃起しきっていないちんちんは柔らかかった。吸いつかれると、ひどく細く見える。くちびるの開きかげんでかたちと大きさを変えていた。根もとから先のほうまで吸いあげられると、ゴムみたいに引っぱられてのびる。
「ん、お、う……」
 男があえぎ声をあげる。すごく気持ち良さそうだった。きっと口のなかでも、ぺろぺろ舐めまわされているんだ。紅いくちびるの柔らかさと濡れた舌の感触を知っているだけに、気が狂いそうなほどうらやましかった。
 ママの顎が幾度か上げ下げされるうちに、肉棒はがちがちに硬くなった。出し入れされる赤黒い勃起は、いまでは紅いくちびるを押しひろげている。口内でもたっぷりと愛撫されているらしく、唾液がたっぷりとついているのが見えた。赤い夕日に照らされ、ぬらぬらいやらしく光っている。
「ふ、ふふん。芙美。さすが数多くの男を咥えこんでいただけのことはあるな。あんなに射精したというのに、もうこんなに大きくなってしまった」
 ととのったロマンスグレイに似合わない下劣な台詞に、ママはこたえなかった。きらきらとかがやく長い睫毛で瞳を隠し、愛してもいない相手にねっとりと奉仕をつづける。肉暴とくちびるが、じゅぷじゅぷ生々しい音をたてていた。
「夢中でしゃぶるんだな……わたしのものはそんなに美味いか?」
 佐伯はカールがかった前髪を指先で弄んでいる。今度は問いだ。こたえなければ、たちまち不機嫌になるだろう。おしりだけでなく、顔を叩かれるかもしれない。それでもぼくは、返事をして欲しくなかった。ぼく以外のちんちんをおしゃぶりするということだけでも、耐えられないほど悔しいのだ。
「……はい、旦那さま……おいしい、です……」
 願いはとどかなかった。ママは男の望むこたえを口にしていた。それだけじゃない。ぎこちない笑顔ではあったけれど、にっこりとロマンスグレイに視線を向けて、口から出した肉棒に頬をこすりつけたんだ。奴隷が王様に媚びるみたいだった。
「淫売。もっとはっきりいうんだ。わたしのチンポが美味しくてたまらないのだろう?」
 佐伯は従順そのものの態度にすら満足していなかった。さらにひわいな台詞を、ママに要求したんだ。それにしても、紳士のいうことじゃない。やっぱり、こいつは見た目だけで、中身は品のないうじ虫だ。
 でも……ママはこの薄汚い人間のくずのいうことに、従うことしかできない。わかってはいるけど、そけでも拒んでほしかった。ママ、お願いだよ。そんなことば、いわないで。痛む胸をおさえながら祈ったけれど、無駄だった。頬っぺたに勃起の先を密着させたまま、濡れた紅いくちびるが開く。
「……お、おいしい、です……旦那さまの……お、おちんぽ……」
 ああ! なんてことだ! ママがこんな下品なことばを口にするなんて! 潤んだ瞳で男を見つめるママが、ひどくいやらしく見えた。淫らで、はしたなく、ふしだらな女に見えた。
 それでもママはうつくしかった。恥ずかしそうに頬を紅く染めるママは、ぼくとそう歳のかわらない少女みたいに見えた。けがれを知らない天使みたいだった。そして、そんなママに淫らなことばをいわせた佐伯に怒りを覚え、同時にはげしく嫉妬した。ママを汚された気がした。ぼくが汚したかった。肉棒を柔らかい頬っぺたに押しつけて、ぐりぐりめりこませて、「丈のおちんぽ、おいしい」っていわせたかった。透明な汁を、いっぱいママの顔にぬりぬりしたかった。
 ぼくはひどく興奮していた。気づかないうちにズボンを下ろし、パンツのなかに手を入れていた。どろどろと粘った液体が、手のひらに広がっている。ポケットからティッシュを取り出すひまはなかった。そんなことより寝室が気になる。ぼくはドアのすきまから目が離せない。
「旦那さま……おっぱいで、ご奉仕させて、いただきます」
 ママが身をのり出す。両手が大きなお乳の外側をつかんでいた。男の下半身に、白いからだが覆いかぶさる。胸の谷間に、佐伯の勃起が挟まれる格好になった。
「お、おお……」
 ロマンスグレイの声が弱い。おっぱいでちんちんを挟まれるのは気持ちいいんだろうか。いや、ママのおっぱいは、あんなに柔らかいんだ。気持ちいいに決まってる。ぼくはしてもらったことがない。歯ぎしりしたところでどうにもならないけれど、悔しくてならない。思わずドアを殴ってしまうところだった。
「ん……すごい、おおきい……おっぱいから、とびだしてる……」
 上になったママが、前後に上半身を揺する。大きなお乳に包まれた肉棒はますます膨れあがり、ことばどおり先端が顔を見せていた。ここからでも亀頭の裂け目にぷっくりと透明の泡が浮いているのが確認できる。白くきれいな胸にしごかれて、嬉し涙を浮かべているみたいだった。
「ふ、芙美っ……ううっ……」
 佐伯がうめく。やっぱりすごく気持ちがいいんだ。ちくしょう。どうしてあそこにいるのがぼくじゃないんだ。ママのおっぱいに挟まれてるのがぼくのチンポじゃないんだ。おっぱいでちんちんの皮を、むきむきして欲しいよ、ママ……。
「どうですか……? 旦那さま、きもち、いいですか……? 芙美のおっぱい、きもち、いい……?」
 様子がいつもと違った。いつもより、ずっと積極的だった。佐伯に犯されたあの日から、ママは生気を失っていた。寝室でも同じだ。あいつに逆らったりはしないけれど、以前のように自分から誘ったりはしなくなった。命令されたことには従うけど、人形みたいだったんだ。後ろから突かれても、前みたいに高い声をあげたりもしなくなった。きっと佐伯を拒んでるってことだろうと思ってた。ママなりの精いっぱいの抵抗なんだろうって。
 でも、いまは違う。ぼくにしたみたいに……犯される前の佐伯にもしていたみたいに、自分からすすんで奉仕してる。あいつのチンポを、自分からおっぱいに挟んで扱いてる。顔色もなんだかよくなった気がする。涙で濡れていただけの黒い瞳が、べつの潤いでかがやいて見えた。
 やめてよ、ママ。そんな甘えた声を出さないで。どうしてなんだ。あいつのことは大嫌いだっていったじゃないか。佐伯のチンポを、そんなにうっとりした顔で見つめないでよ。お願いだから、ママ……!
「すごい……旦那さまのおちんぽ……こんなに勃起して……ん……」
「おふうっ……! 芙美ぃっ……!」
 お乳の間からにょっきり生えた亀頭を、ママは首を縮めてぺろりと舐めあげた。挑発するように目を細めて男を見つめ、粘ついた汁があふれて汚らしい小さな割れ目を舌でなぞったんだ。そのうえ、ママは淫らなことばを漏らした。「オチンポ」って……。佐伯に強制されてじゃない。自分の意思で、あいつを興奮させるために、よろこばせるために、ひわいなことばを口にしたんだ。愛してるっていったぼくにじゃない! 大嫌いだっていってたはずの佐伯にだ! 
 つぶすほどの勢いで、喉を押さえる。そうでもしないと叫び声をあげてしまいそうだった。呼吸が整えられない。見つかってもおかしくないほど、ぼくは荒い音をたてて息を吐いていた。額からはだらだらと汗が流れている。背中もぐっしょりと濡れて気分が悪い。でも、そんなことはどうでもよかった。汗なんかにかまっていられない。
 喰いしばった歯の間から息を吐きつつ、目を見開いて寝室をにらみつける。右手が熱い。握りしめた肉棒がやけどしそうなくらいに熱を放っていた。
「ん、ぢゅ、ぢゅぷっ……」
 佐伯はベッドの上に立ち上がっていた。ママは膝立ちになって男の股間に仕えている。肉棒をおっぱいに挟んだまま、今度は先っぽをくちびるに受け容れていた。あいつのチンポに、しゃぶりついて、いるんだ。
「くく、う、おお……芙美……」
 男の腰が小刻みに動いていた。ふくよかなお乳に包まれた肉棒が上下に扱かれる。膨れた亀頭が、半ば開かれた紅いくちびるに出たり入ったりした。佐伯のチンポを歓迎するかのように、ママは舌を長くのばしていた。透明な粘液を滴らせている肉棒の裏側が、舌の上をこすり、通りぬける。温かい口内へ導いているみたいだ。
「ん……んちゅっ……おちんぽ、あついっ……んっ……」
 さくら色の舌は、陰茎の受け容れ口になっているだけじゃなかった。猛り狂った勃起に快感を与えるために、あやしく動いていた。男の腰が動き、お乳の間をこすり、口へと突きこまれるたびに、裏側の筋を、包皮の継ぎ目に這いまわる。だらだらとこぼれていた臭い粘液は、すべて濡れた舌で受けとめられ、すくいとられていた。
 ママはおっぱいを両端からつぶさんとばかりに押さえつけている。白い乳房に隠れてほとんど見えないけれど、肉棒はパンパンに膨れあがっているはずだ。ママの肩をつかみ、腰をはげしく揺する男には余裕がなかった。ぜえぜえと荒い息を吐き、脚には深く筋肉の溝ができていた。
「は、あんっ……旦那、さま……いき、そう……? お射精、しちゃう……?」
 亀頭を舐めまわしていた口を離し、ママが顔をあげる。黒い瞳が色っぽく、甘えるように上目づかいで佐伯を誘っていた。男の射精をうながしていた。粘った汁で濡れた紅いくちびるまでが、白く濁った汚い汁を欲しがっているように見える。
「いっぱい、いっぱい、射精して……ね? 旦那さまの、精液……いっぱい、だしてっ……!」
 佐伯の精液をねだると、ママはふたたび肉棒に口をつけた。男の腰の突き上げにあわせて、上半身を上下に揺する。白いお乳がぷるぷると上下して、勃起をさらに刺激した。
「ん、ちゅっ、ちゅぷ、ちゅぷっ……」
「おおッ、おおッ……!」
 佐伯の口から漏れるうめき声が大きくなっていた。大きなおっぱいで挟まれ、しごかれている肉棒の先は、いまにも破裂しそうだ。亀頭を吸いたてる音が寝室に響いている。唾液に濡れた舌が、おしっこの穴や、かさになっている窪みをぺろぺろと舐めまわす。
 もう、限界だった。
「で、出るッ……芙美いぃっ……!」
 肉棒が、お乳のなかで大きく脈打った。ビクンッ、と勃起が跳ねて、先端から白い液体が噴射された。勢いのある一射めが、ママの頬を直撃した。
「あ、あむっ……んう……」
 ママがあわてて亀頭をくわえる。遠くからでも肉棒が収縮するのが見えた。くちびるのなかにおさめられた先っぽからは、何度も熱い精液が吐き出されているのだろう。ママは口内で射精の爆発を受けとめている。
 舌の上で、佐伯のチンポがどくどくっていっぱい白いおしっこを出してるんだ。ママはあいつの汚いチンポの汁を、うっとりと目を伏せて、味わっているんだ。大嫌いだっていった、「旦那さま」の精液を……。
「おおぉ…………」
 苦痛に似た声を、男があげる。全部出し終わったんだろう。ママの肩に腕をもたれさせていた。脚から力が抜けているように見えた。
「ん……ちゅ……」
 それでもママはまだチンポから口を放さない。ちゅるちゅると残り汁を吸っているようだった。佐伯が情けない声をこぼしている。
 右手が気持ち悪かった。ぼくは佐伯が射精するのと同時に白いおしっこを漏らしてしまっていた。悔しかったけれど、扱かずにはいられなかった。覗きながら、ママに奉仕されているのが自分のつもりになっていた。ママのおっぱいにチンポを挟まれ、先っぽをしゃぶられ、舐められて、いっぱい射精する。もちろん白いおしっこは、ぜんぶ飲みほしてもらうんだ。
 けれども現実はみじめだった。佐伯は汚れた肉棒の後始末をママにさせる。陰毛についた汚れまで舐めとらせることができるんだ。なのにぼくは、手のなかに漏らすだけ。冷たくなっていく精液が、汚らしかった。汚れたチンポが小さくなって皮のなかにおさまっていくのが、ひどく悲しかった。本当なら、ママが舐めてきれいにしなくちゃいけないのに。
 どうしてこんなみじめな思いをしなくちゃいけないんだ。ママが佐伯をおそれているのはわかる。逆らったら叩かれるっていうこともわかってる。でも、やりすぎだった。そんなに美味しそうに舐めなくてもいいじゃないか。嬉しそうにご奉仕する必要なんか、ないじゃないか。ぼくだけを愛してるっていったのはウソだったの? それとも……そいつのチンポが、そんなに好きなの? ぼくのチンポじゃ小さいから、だめなの?
「ん……ちゅ……きゅん……」
 ママは縮みつつある肉棒の先にキスすると、喉を何度も鳴らした。口のなかに溜まっていた精液を、すべて飲みほしたんだ。頬っぺたを流れる白い粘り汁も、手のひらにすくって仔猫みたいにぺろぺろと舐めとった。
「ん……ごちそう、さまでした、旦那さま……」
 小さくなった陰茎を両手の手のひらで持ち上げ、ママは頭を下げた。視線の先にあったのは佐伯の顔じゃなく、萎れて縮んだチンポだった。


「ちくしょう!」
 ほこりを被った白黒TVを蹴る。かかとが少し痛かったけれど、さらに二度蹴った。頭がおかしくなりそうだ。
 ベッドの周りには本棚からぶちまけた小説が散らばっている。何かに怒りをぶつけても、胸のむかむかはおさまらない。吐き気と頭痛が、憤りを強めている。ぼくは頭を抱えてベッドに顔を埋めた。クッションの横に置いてあった雑誌の角に、頬っぺたが突き刺さる。
「このっ……!」
 腹いせに雑誌をTVに投げつけた。また、ほこりが舞う。
 TVはもうずっと見ていない。佐伯のせいで、ぼくはすっかりTVが大嫌いになっていた。かわりの暇つぶしに選んだのが、本だ。ママと一緒にいられる時間が極端に減ったぼくは、大人が読むような小説を買いあさってきては読みふける毎日を過ごしていた。
 前に佐伯から渡されていたお小遣いが、まだいっぱいある。バスで町に行っては、雑誌や小説を買ってくるのだ。もうずいぶんな数の本が、本棚を埋めていた。
 いつもならママの部屋を覗いたあと、本を読んで時間をつぶすのだけれど、今日はそんな気にもならない。佐伯にたいするママの態度に、あまりにも動揺していた。女の人の裸ばかりの写真集も、今日は役に立ちそうになかった。
 美味しそうにあいつのチンポにしゃぶりつくママの姿が、まぶたの裏に灼きついている。こんなに高ぶったのは久しぶりだった。覗きながらたくさん射精してしまったのに、肉棒は大きいままだ。でも、自分の手で扱くつもりはない。むなしくなるだけだということを、ぼくはよくわかっていた。
 腹立ちも、勃起も、おさまりがつきそうもない。もうすぐ夕食の時間だけど、食事も喉を通るとは思えなかった。
 ママは、ぼくを裏切った。また、裏切ったんだ。
 憎しみがふつふつと沸いてくる。今日の悔し涙はいつもよりずっと熱かった。物にあたりちらしたところで、まったく気が晴れない。胸に重たいものが溜まって、熱を放っているようだ。
 ぼくはこのうっぷんを晴らす、ただひとつの方法を知っている。ずっと、ずっとがまんしていたことだ。それだけはしちゃいけないと、妄想するだけで満足しようと、こらえてきたことだ。でも、それをすれば、すっきりする。溜めこんでいた欲望も、いらだちも。裏切られて傷ついた心さえ、癒されるかもしれない。
 もう、抑えられない。悪いのは、ママだ。
 ベッドからゆっくりと立ち上がる。股間が痛い。ズボンを突き破りそうなほど張っている。
 もう迷いはなかった。


 前回(第八話)
 次回(第十話)

テーマ:18禁・官能小説 - ジャンル:アダルト

  1. 2010/03/25(木) 14:14:14|
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臥頭狂一

Author:臥頭狂一
(がとうきょういち)
 日々、頭痛に悩まされながら官能小説を書いています。
 いろいろなジャンルに手を出していくつもりです。よろしければ読んでいってください。
 感想、お気づきの点など、コメント、メールでいただけると励みになります。よろしくお願いします。

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