2ntブログ

臥頭狂一のエロ小説ブログ。※18歳未満閲覧禁止。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

馬鹿で一途でふしだらな。 2 (22枚)


 サイキさんの喉がごくんって鳴った。
 ……気にいってくれた、みたい。よかった。常連のお客さんに嫌われたら、どうしようかと思った。
 
 たくさんお客をとって、いっぱい、お金を稼がなきゃ。
 あたしが、がんばらなきゃ。……あたしが。




 サイキさんが息を飲むのがわかった。あたしのおへその下から、視線が離れていかない。
「ひ、ヒカルちゃん……ぱ、ぱ、パイパンに、したの……?」
 厚みのある頬っぺたがひくひくしてる。ひいてるってわけじゃなさそう。鼻の下が伸びぎみだから、喜んでくれてるのかな。
「う、うん……どう、かなあ?」
 愛想笑いしながら、あたしは腰をくいくいって突き出してみせる。うう。つるつるになったあそこを見せるのって、すごく恥ずかしい。どうしても、慣れない。
「い、いいっ! いいよ、ヒカルちゃん!」
 サイキさんはすごく興奮してるみたいだった。鼻息を荒くして、あたしの前にしゃがみこむ。毛のなくなった割れめをじっくり見たいらしい。熱い息があたって、ちょっとくすぐったかった。
「あん、もう……まずはシャワー、浴びよ? あとで、ゆっくり、ね?」
 なごり惜しそうなサイキさんの手を引いて、せまくるしいシャワー室に入る。あたしがシャワーの温度を確かめてる間も、小さな目は毛のない股間を見つめたままだった。よっぽど気にいったみたい。
 恥ずかしいけど、嬉しい気もする。ほんの少しだけ。こんなに興奮してくれるとは思わなかった。……べつに、剃りたくて剃ったわけじゃ、ないんだけど。
「熱くない? へいき?」
 小太りの体にお湯をあてても、サイキさんの視線は全然ぶれない。背中を流してるときも、自分の肩ごしにあたしの腰から下を見てた。茹でたみたいに顔が赤い。生え際の薄いおでこまで熱っぽく見えた。
「えへへ……つるつるの、ここ……そんなに気にいっちゃった? いつもより、おちんちん、おっきいよ? ……こわいくらい」
 ぽちゃぽちゃの胸をボディソープの泡でいっぱいにしてあげつつ、あたしは冗談めかしてサイキさんのおちんちんを褒めた。
 お世辞は混じってるけど、嘘ってこともない。サイキさんは舐めてあげるまで勃起しないことのほうが多い。五十歳のおじさんだから、それが普通なんだと思う。触ってもいないのにびんびんなんて、はじめてのことだった。
「わあ……かたぁい……」
 泡だらけの手で、おちんちんを握ってあげる。ほんとに硬かった。ちょっとびっくり。いつもは大っきくなっても柔めなのに、ぱんぱんに張ってる。しこしこってしてあげると、掌のなかで怒ってるみたいに跳ねた。
「はふ、はふ……ヒカルちゃあん……」
 サイキさんが肩に顎を乗せてきた。泣きそうな顔で甘えた声を出してる。吹き出しそうになったけど、こらえて背中を撫でてあげた。おなかに刺さるおちんちんの先が、熱い。
 五十歳になっても、子どもみたいな年齢(とし)の女の子に甘えたいんだ。ちょっとだけ、胸がきゅんてなった。頭の薄いおじさんなのに、かわいいって思う。
「ひ、ヒカルちゃん……お、お願いが、あるんだけど……」
 おそるおそるって感じで、サイキさんが顔を上げる。
「ん……なに?」
「お、おしっこ……見せてくれないかな……」
 恥ずかしかったのか、ぼそりと言ったあとでサイキさんは目を逸らした。でも丸ぺちゃの鼻の穴は、親指でも入っちゃいそうに広がってる。
「あたし……オプションに入れてないよ?」
 オプションていうのは、基本の料金にお金を足すことで遊べるプレイのこと。
 マッサージのお店ってことになってるけど、中身は本格的な風俗店だからプレイの種類も多い。写真撮影とか、大人のおもちゃ、顔射、ごっくん(精飲)、コスチュームの持ち込み……全部覚えていられないくらい、いっぱいある。おしっこ、放尿プレイもそのひとつだ。
 もちろん、女の子によってはNGなプレイもある。たくさんお金をもらっても、イヤなものはイヤだし、できないことはできない。当然だと思う。そういうわけで、あたしのオプションにはおしっこプレイが入ってない。
「そ、そうだよね……ごめん、ね……」
 サイキさんの声が小さくなっていく。しょんぼり肩を落としてるせいか、体まで小さく見える。胸がちくちくって痛い。なんだか、すごくかわいそう。おちんちんまでしな垂れて縮んでた。
 背を向けてもらい、肌の泡をシャワーで洗い流してあげる。ふにゃふにゃになったおちんちんを後ろからすくいあげるように握って、あたしはサイキさんの耳に口をつけた。
「……サイキさんだけ……とくべつに、いいよ……」
 うつむいてた顔が、ゆっくり持ち上がる。表情は驚いてるけど、肉の厚いお腹の下は反応が早かった。掌の上で、肉の棒がむくむく膨らんで起きあがる。
「ほ、ほんと……? おしっこ、見せてくれるの?」
 あたしはあわてて口の前に人差し指を立てる。お店の壁は意外と薄い。
「……店長にも、ほかのひとにも、ないしょ、だよ。ひみつ、だからね……?」
 サイキさんは心底嬉しそうって笑顔を見せた。やらしいこと考えてるっていうより、感動してるっぽい。つぶらな瞳がうるうるしてる。そんなに、喜んでくれるんだ。
「用意とか、してないから……たぶん、ちょっとしか出ないよ。それでも、いい?」
「うん! うん、うん!」
 何度もうなずくサイキさんの声が高い。五十歳のおじさんなのに、子どもみたいだった。
「いつも指名してくれるから……今日だけ、とくべつサービス、ね」
 両手で押しのけてサイキさんを追い出し、あたしだけシャワー室のブースに残る。ふたりが座るには、ちょっとせますぎた。その場にしゃがみ、膝を開く。水滴が流れるおへその下に、ふっくらした顔が迫ってた。
「さ、サイキさん……近すぎ。……おしっこ、顔にかかっちゃうよ……」
「い、いい! ヒカルちゃんのおしっこなら、ぜんぜん、いい!」
 鼻息がむきだしのおまたに熱い。這いつくばったサイキさんの姿勢は、昆虫のバッタに似てた。首は低いところにあるのに、肘が高い。首とか背を痛くしそうだけど、それどころじゃないって顔をしてる。寄った目が怖いくらいに開いてた。
「もう……ヘンタイ……」
 あきれたって声を出しながらも、あたしは胸をどきどきさせてた。
 おしっこを見せるなんて、やっぱり普通じゃない。誰にも、いちばん大切なひとにも見せたことないのに、どうして受け入れちゃったんだろう。つるつるの割れめに、サイキさんの視線が痛かった。
 お店で働くほかの子からは、「あんまり見つめられると、緊張しちゃって出にくいんだよね」って聞いてたけど、あたしの場合は違った。もよおしてくると止められそうもない。
「あっ……出る、出そうっ……サイキさん、おしっこ、出ちゃう……!」
 うわずった声が出た。
 脚がふるえる。無意識に膝を閉じようとしてたのか、サイキさんの手に押さえられた。もう、がまんできない。鼻息の荒いおじさんの顔を見おろし、あたしは膀胱を緩めた。
「やだあ……やだ、やだ……いっぱい、出ちゃう……」
 勢いが、はげしかった。
 恥ずかしいから、ちょっとずつしよう、とか思ってたのに、下半身がいうことをきかない。シャワー室の床を叩きつけるおしっこの音が大きい。床にはねて飛び散った水滴が、ぱたぱたサイキさんの顔に降りかかっていく。
「おお、おう……」
 サイキさんは避けようともしなかった。目を細めて、あたしのおしっこを浴びつづけている。前髪の薄いおでこにまで飛んじゃってるのに、すごく嬉しそう。頬も口も緩みきってだらしない顔になってた。
「あうう……や、やだ……すごい、いっぱい、出しちゃったよぉ……」
 ようやくおしっこが終わる。ほかほかと床から湯気が昇ってた。
 少ししか出ないはずだったのに。しかも、透明じゃなくて、ちょっと黄色がかってた。黄色いおしっこを、たくさんサイキさんの顔にかけちゃった。恥ずかしくて、たまらない。いまになって後悔が胸をしめつける。見せてあげる、なんて言わなきゃよかった。
「は、はあ、はあ……ヒカルちゃん……」
 息を乱したサイキさんの声が震えてる。額から顎まで、水滴をいっぱいつけた顔が、おしっこに濡れた割れめの間近にまで迫っていた。
「な、舐めて、いい? いいよね? な、舐めるよ」
 返事をする暇もなかった。反射的に太股を閉じようとしたけど遅い。おしっこまみれの恥ずかしいところを、サイキさんは舌を伸ばしてべろべろと舐めまわしはじめた。
「ひんっ……だ、だめ……きたない……ってば……」
「はむ、んっ、はぶっ……んっ」
 まるで聞こえてないみたいに、サイキさんが身を乗り出してくる。お肉がたっぷりついたお腹まで、シャワー室に侵入させてきた。あたしは背も膝も壁に押しつけられて身動きがとれない。脚をいっぱいに開かされたところで、股間をじゅるじゅると吸われる。指が太股にくいこんで痛かった。
 ゆいいつ自由な両手で薄い前髪をつかんでみたけど、抵抗はそこまでだった。引っぱるのはかわいそうだし、押しのけようにも力が入らない。はじめはイヤだったけど、だんだん気持ちよくなってきてる。夢中でむしゃぶりついてるサイキさんの舌が熱い。
「はふ、はふ、あ、味が変わってきたよ、ヒカルちゃん……」
 舌の先っぽが、膣穴の入り口に挿しこまれる。あたしはからだをびくん、びくん、てさせながら、思わず両手につかんだ頭を股間に押しつけてた。
「はあっ……やん、あっ……」
 吐息といっしょに声が漏れる。サイキさんのいうとおり、やらしいおつゆを垂らしちゃってると思う。おしっこで汚れた割れめを舐められただけじゃなく、にじむ愛液まで吸われてる。おなかの奥が熱くなってた。
「ひ、ヒカルちゃん、ゆ、ゆび、入れていい? い、一本だけ。一本だけ、だから」
 高ぶった声がどこか遠い。鼻の穴を大きくしたサイキさんがこっちを見あげてた。
 お店は「指入れ」を禁止してる。女の子のからだを守るためだ。でも、あたしは悩むこともなく頷いてた。頭がぼうっとしてるせいかもしれない。頬っぺたどころか、指先までじんじん痺れて熱かった。サイキさんの髪の毛をわしづかみにしてたことに気づく。
「はあうっ……!」
 中指が侵入してくる。ゆっくり入れられたのに、あたしは大きな声を出してしまう。自分でも驚いてはっとするくらい、高い声だった。
「ご、ごめん。痛かった?」
 あわてて気づかうサイキさんの頭を撫でて、首を左右に振る。目の前がぼやけてた。痛くて泣いたって、勘違いされてるかもしれない。
「……ち、ちがう、よ…………き、きもち、よかった……」
 きっと、顔が真っ赤になってる。恥ずかしくて、目を逸らした。心臓の音が頭にまで伝わって響いてる。沈黙が息苦しい。
 サイキさんがごくんって唾を飲みこむ。見なくても、すごく興奮してるってことだけはわかった。ふうふう熱い息が、あたしの胸にまで届いてた。
「あぅ……」
 膣内で指が動きはじめる。いやになるくらい濡れてるみたいだ。まったく抵抗なく、ぬるぬる出し入れされてる。サイキさんの指ははじめてなのに、何回か往復するだけでなじんじゃってた。
 しだいに動きがいじわるになっていく。あたしの感じるところがわかってるらしい。そこだけ小刻みに擦られると、どうしても声が出ちゃう。びくんびくんって、腰がかってに跳ねて揺れた。
「あ、あ! だめっ、そこ……」
 ねばつく音が割れめの間から漏れはじめた。前後する指にあわせて、ぬちゃぬちゃっていやらしく響いてる。
 顔を隠したかったけど、両手ともいうことをきかない。髪の毛の少ない頭を挟んだまま離れてくれなかった。……ううん、嘘だ。ほんとうは、気持ちよくしてもらいたいって思ってる。声が出て恥ずかしいけど、もっとしてほしい。だから、口に出せないおねだりを力にこめちゃってた。
 耳の上を押える微妙な力加減だけでサイキさんは察してくれた。こっちをちらっと見て目で頷くと、指をつきつきしてる割れめの上に口を近づける。
 待ちきれなかった。吐く息が湿って熱くなってる。湯気が目に見えそうなくらいだった。
「んっ……くぅ、あうんん……」
 舌先が勃起した尖りに触れて、喉の奥から子犬が甘えるような声がこぼれた。冷たい床からおしりが浮いちゃってる。あたしのからだは、もっと、もっとって、サイキさんの舌を、唇をもとめてた。
「はあんっ! あ! あ! いい! いいのっ……!」
 クリトリスをちゅるちゅると吸われると、意識が飛びそうになった。自分の声の高さが嘘みたいにうるさい。きっと、隣の個室にも聞こえちゃってる。でも、口から漏れてく声をおさえられそうもなかった。頭のなかが白く染まって、あんまりものを考えられない。
 膣穴を出入りする指の音がすごいことになってた。シャワー室のせまい壁のせいでエコーがかってるけど、あたしの声にかき消されてるのかもしれない。どっちの音が大きいのかさえ、わからなくなってる。
 気になってるのは、またおしっこを漏らしちゃいそうってことだけだった。気持ちよすぎて膀胱が緩んでるのかな。そんなのやだ。おもらしはもう、したくない。そう思いつつも、あたしは快感に身をまかせてる。なにもかもぜんぶ忘れて、消えちゃいたかった。
「あ、あ! あん! も、だめ……いく……いく、いく、よぉ……」
 息がつづかない。腰と背が反りかえって、びくん、びくんって、下半身が何度も跳ねる。
 そこからふわっと気が遠くなって、意識が何回も飛んだ。悲鳴みたいな自分の声を聞いた気はする。股間からサイキさんの顔が離れたのは、まちがいないと思う。びっくりって表情だった。……あ。おしっこ、しちゃったんだ。……また、サイキさんの顔に、おしっこかけちゃってる……。


「……だ、大丈夫? ヒカルちゃん」
 気づくと、目の前にサイキさんの顔があった。あたしの肩をそっと抱いてる。支える手がやさしかった。
「ん……うん……」
 ほんとに気を失ってたみたい。からだは冷えてないから、そんなに時間は経ってないはずだ。頭はまだはっきりしてない。あたしはとりあえず、小さく手を振ってみせた。へいきだよって。
「ご、ごめんね。……調子に乗りすぎた。ヒカルちゃん、かわいすぎて」
 苦笑いを浮かべてるけど、ちょっと顔が青ざめてる。本気で心配してくれてたんだ。
「ううん、あたしこそ、ごめん、なさい。また、おしっこ……かけちゃって」
 上半身を起こして頭を下げた。思ったよりからだは軽い。だるいけど、ふらつくほどではなさそうだ。
 照れ隠しに愛想笑いしながら立ち上がる。おしっこで汚しちゃったし、シャワーで流してあげないと。お湯を出してノズルを向けると、サイキさんはにへらって感じで口もとを緩ませてた。どうしたのかな。
「ヒカルちゃん……あれ……おしっこじゃ、ないよ」
「えっ?」
「そっかあ……はじめてだったんだ、ヒカルちゃん……」
 ぶつぶつ独りごとをはじめる。体を洗いなおしてる間も、鼻の下を伸ばしてにやにやしてた。ちょっと気味が悪かったから、訊くのはやめた。ひとりで満足してるみたいだし、いいよね。
 シャワーから出て間もなく、時間の終了を知らせるブザーが鳴った。あたしはサイキさんの体をバスタオルでふきふきしてて、おちんちんの水滴を拭ってる最中だった。
「あ…………」
 お互いの目が合う。気まずい。うつむいた視線の先で、サイキさんのおちんちんが立派に勃起してた。気持ちよく射精するために高いお金を払ってるのに、おしゃぶりもしてあげてない。バスタオルごしに握った肉の棒は、すごく硬かった。こんな状態で「ばいばい」、「またね」、なんて、とても言えそうにない。
「あ、あのね。延長、しよ? 今日は、あたしのおごりで、いいから」
 お金に余裕なんかまったくないのに、あたしはつい自腹でのサービスを口走っていた。おひとよしの自分がいやになる。でも、このまま帰ってもらうのも後ろめたいし、いまさらあとにも退けない。
 決心してインターホンに手を伸ばしたとき、後ろからぽんと肩を叩かれた。
「い、いいよ、ヒカルちゃん。今日はもう、帰るよ」
「え……? どうして?」
 振り返ると、サイキさんはにこにこしてた。ひとのいい近所のおじさんって感じで、服を着てないのが、なんだかおかしい。
「気持ちは嬉しいけど、無理しちゃ、だめだよ。疲れちゃったでしょ」
「で、でも……サイキさん、いってないし……」
「ほんとうに、やさしい子だね……ヒカルちゃん。お、おじさん、ほ、本気になっちゃいそうだよ」
 サイキさんの頬っぺたは真っ赤っかだった。お腹の出た冴えないおじさんなのに、子どもみたいに照れてる。頭の後ろを掻いてごまかす仕草が、ちょっとかわいい。おっぱいの奥がきゅうって痛む。
 涙が浮かびそうになって、あたしは濡れたままのからだで抱きついた。ぽっちゃりした肌が温かい。とまどうサイキさんを見あげて、触れるくらいの軽いキスをする。
「……また、来てくれる?」
「も、もちろん、だよ! つ、次の出番は、いつ?」




「ヒカルちゃん、おつかれさま。今日もいっぱいお客がついたね。さすが、看板嬢」
「うん、ありがと」
 店長は今日もご機嫌みたい。いつもにこにこしてるけど、怒ったりすることはないのかな。ちょっと想像できない。めがねで細くて、やさしいお兄さん。けんかとか、したことなさそう。
「……シフト、連続で入れちゃったけど、本当に大丈夫? からだ、きつくない?」
「うん。へいき、へいき」
 ちょっと疲れてたけど、笑って腕を振りあげてみせた。きついとか、いってられない。まだまだ、がんばらなきゃ。明日も明後日も、いっぱいお客をとって、たくさんお金を稼ぐんだ。
「そっか……。辛くなったら遠慮しないで言ってよね。ヒカルちゃんが倒れちゃったら、うちの店、つぶれちゃうから」
 冗談めかして笑ってるけど、心配してくれてるのは痛いくらいに伝わってくる。三十万円も前借りしてるのに、厳しいことをひとつも言わない。店長には、ほんとに感謝してる。泣きそうになって、あたしは気づかれないように顔を少しだけ逸らした。
「あ、そうそう。明日のラスト、斉木さんが予約入れてったよ。……すごいね、二日つづけて、なんて。ヒカルちゃんにべた惚れって感じじゃない」
「あ、うん……」
 サイキさん、ほんとに明日も来てくれるんだ。嬉しいけど、そんなにお金つかって大丈夫なのかな。ここは本物の女子高生とかが働いてるお店だから、ほかより高いって聞いてる。ちょっと心配になった。
 いいひとだけど、お金持ちには見えない。自営業って、儲かるのかなあ。借金してるってことは、ないよね。ばかなあたしには、考えてもわからなかった。
「……アキちゃん……?」
 急に本名を呼ばれて、あたしはびくっと全身を硬くした。
「困ってるんだったら……相談に乗るから。ひとりで思いつめないで、頼ってほしいんだ」
 いつもの笑顔が、ちょっぴり硬い。声も低くて驚いた。でも、心からあたしを気づかってくれてる。悩んでるように見えたみたい。思いやりっていうのかな。嬉しい。胸がぽかぽか暖かくなった。
 シフトを毎日入れたいってお願いしても、店長は理由をいっさい問わなかった。お給料を前借りしたときも同じだ。「ほかの子には内緒だよ」って、金庫から出してくれた。あたしの様子から、察してくれたんだと思う。
 涙が出てきちゃって、あわてて目をこする。
「ほんとに……ありがとう。でも……へいき」
 サイキさんも店長も、ほんとうにやさしい。
 あたしは恵まれてると思う。頼れるひとが、いいひとが、まわりにいる。あたしを支えてくれてる。
 だから、がんばらなきゃ。くじけてなんか、いられない。



馬鹿で一途でふしだらな。 3 へ。

馬鹿で一途でふしだらな。 はじめへもどる





テーマ:18禁・官能小説 - ジャンル:アダルト

  1. 2012/03/19(月) 14:14:14|
  2. 馬鹿で一途でふしだらな。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<馬鹿で一途でふしだらな。 3 (50枚) | ホーム | 恣(ほしいまま) ~共有される幼な妻~ 第九話 (40枚)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://enrico44.blog.2nt.com/tb.php/53-596200c9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

臥頭狂一

Author:臥頭狂一
(がとうきょういち)
 日々、頭痛に悩まされながら官能小説を書いています。
 いろいろなジャンルに手を出していくつもりです。よろしければ読んでいってください。
 感想、お気づきの点など、コメント、メールでいただけると励みになります。よろしくお願いします。

最新記事

カテゴリ

エロ小説 (62)
小説一覧 (1)
短編 (5)
亜耶芽忍法帖 (8)
鉄砲打ちのバルゴ (3)
伊作と山姥 (3)
赤いバラの咲く庭で (11)
馬鹿で一途でふしだらな。 (4)
陵鬼の森 (5)
あかね色のやくそく (3)
恣(ほしいまま)~共有される幼な妻~ (10)
僕の従順すぎる幼妻が何度叱ってもお風呂でおしっこをします。 (9)
はじめに。 (1)
未分類 (0)

FC2カウンター

リンク

検索フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ

最新コメント

RSSリンクの表示

QRコード

QRコード