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臥頭狂一のエロ小説ブログ。※18歳未満閲覧禁止。

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陵鬼の森 ~浮気妻 紗江~ 前編 (40枚)


 女は、暗い森で目を覚ました。
 全裸だった。
 森に見覚えはない。なぜこんなところにいるのか理解できなかった。
 薄闇と笹薮に囲まれ、女は恐慌に陥りかけながらも、裸足で歩き出す。
 町へとつながる、帰り道をさがして……。



 関崎紗枝は見知らぬ森で目を覚ました。
 薄暗い森だった。木々が密集している。幹と幹の間には笹がびっしりと生い茂り、地面の色さえ見えない。紗江は笹の葉を押しつぶして横たわっていた。
 ひどく肌寒い。自分のからだを見下ろす。全裸だった。
 わけがわからない。夢を見ているのかと思った。辺りを見まわす。身に着けていたものが落ちているかと期待したが、衣服どころかバッグも携帯電話も見当たらない。
 胸の音が大きくなるのを感じつつ、空を見上げた。何時なのかもわからないが、昼間であることは間違いなかった。だが明るさはない。高くのびた木々の葉が、空を覆い隠しているのだ。葉の隙間から射すわずかな陽光だけが、唯一の明かりだった。
 見覚えのない、暗い森の中にひとり。紗江は喉からあふれだす悲鳴をおさえることができなかった。素裸で、携帯電話もない。恐慌を起こしかけていた。
 胸に手をあて、天を仰いで深呼吸を繰りかえす。落ち着かなければ。ぺたりと座りこんだふくらはぎが、笹の葉にこすれて痛い。ひんやりとした風が裸身を撫でていく。小鳥のさえずる声が聞こえた。
 呼吸の周期が定まってくるにつれて、考える余裕が生まれてきた。身を縮め、両腕を交差させて胸を抱きしめる。身ぶるいするほど、からだが冷えていた。
 この場所にはまったく覚えがない。山菜取りなどしたこともなく、山林散策の趣味もなかった。そもそも、どうしてこんなところにいるのかがわからない。
 『拉致』ということばが頭の端をよぎる。何者かに連れて来られたのでなくては、説明がつかない。しかし、いつどこで誘拐されたのかという、肝心な記憶が抜け落ちていた。さらわれたにしても襲われたことすら覚えていなかった。
 残っている記憶の中で、いちばん古いものを辿る。紗江は町外れのラブホテルの外にいた。正午をすこし過ぎていたはすだ。
 手を振って別れたのは色黒のがっしりした体型の男、加瀬明俊だ。午前中から濃厚な『運動』を愉しみ、すっきりした顔をしている。二十五歳という若さに加え、いまどき珍しく野生的な男だった。シャツの半袖から見え隠れする二の腕が、たくましく太い。
 明俊は浮気相手だった。紗江は半年前からフィットネス・ジムに通っている。三十を目前に控え、肢体の衰えを心配しはじめていた。エステサロンには以前から通っていたが、体型の維持には運動も必要だと思ったのだ。くびれの強いしなやかな体つきは、自分でも気に入っていた。
 ジムのインストラクターでもっとも若く、女性に人気があったのが明俊だった。紗江は当初、目もくれなかった。もともと、好きなタイプではない。顔は人並みで、ゴリラのようにマッチョな男のどこがいいのかと思っていた。だが親切で丁寧な指導をする明俊に、しだいに心を許していく。
 不倫の関係になるまで、二月と時間はいらなかった。そのころには汗を浮かべる男のごつごつした浅黒い肌に魅力を感じるようになっていた。男のたくましさに、うっとりと瞳を潤ませる自分に気づいていた。
 夫とはまったく違う。夫の関崎祐治は匂いのない男だった。長身ではあるものの華奢で、腕など枯れ枝のように細く、まるで肉がついていない。女の自分より腕力がないのではないかと思う。表情に乏しく、性格もおとなしい。役所勤めで定時には帰宅する。酒も煙草もやらない。祐治には、雄々しさの欠片もなかった。
 抱かれてみると、その違いはさらにきわだって見えた。正常位でしか交わらず、持続時間も短い夫と比べて、明俊はタフだった。祐治は淡白で一度果ててしまえば終わりだが、明俊はこちらが根をあげるくらいに求めてくる。何度も体位を変え、力強く突きあげてくる。気を失いそうになるほど責められて、紗江はいつもあられもない声をあげた。
 性の悦びを知ったのも明俊がはじめてだった。夫の前にも三人の男を経験していたが、セックスで満足を覚えたことはなかった。祐治を含めて今までの男たちには、女を悦ばせようという努力が足りなかったように思える。
 二十九になるまで絶頂を経験できなかった。輝いていた若い日々を無駄に過ごした気がする。結婚してからの、六年におよぶ生活が色あせていた。不貞を働いている自分を棚にあげて、紗江は心の内で夫を恨みを抱いた。
 祐治に捧げた六年間をとり戻そうとするかのように、紗江は明俊との情事にのめりこんでいった。週に二度はホテルで密会し、貪欲にもとめあう。夫とのセックスではけっして味わえない快楽に、紗江は夢中になった。夫相手にはする気にもならなかった、フェラチオなどの性奉仕も、明俊にはみずからすすんで行った。
 明俊もまた、紗江の肢体に魅入られていた。誘うのはいつも明俊のほうからだった。インストラクターのシフトを強引に変えてでも、紗江を抱きたがった。週に二度でも物足りないのか、もっと逢いたいと無理を言って困らせることさえある。
 無理はない、と紗江は思う。自分の容姿に自信を持っていた。学生のころ、言い寄ってくる男は山ほどいたのだ。来年で三十になるが、まだまだ捨てたものではない。腰のくびれも肌の張りも、若いだけの女には引けを取らないという自負があった。
 本来なら明俊ていどの男が相手できる女ではないのだ。格下の男を相手にしてやっている。口には出さないが、紗江は優越感を胸に抱いていた。しょせんは火遊びだった。鍛えられた肉体と情熱的なセックスは至福の時を与えてくれたが、明俊を好きなわけではなかった。浮気が本気になることはありえない。
 セックスに関するかぎり、明俊はすばらしかった。相性も抜群といっていい。今日のことなのか昨日のことなのかわからないが、ホテル前で別れる前もはげしく交わった。後ろから抱きしめられ、責められたときの男の火照ったからだを、肌がまだ覚えている。
 はげしい性交を思い返して胸を熱くしているさなか、冷えた風が肌を通り抜けていった。紗江は一気に現実に戻された。そんなことを考えている場合ではなかったのだ。寝ぼけているのだろうか。あわてて思考を現状の確認へと集中させる。明俊と別れたあと、自分はどうなったのだろうか。
 明俊とはその場で別れることにしている。人目につくことは避けねばならなかった。ホテルからすこし離れた駐車場に、紗江は車を停めていた。車のドアを開け、シートに座った覚えはある。だが、キーを回してエンジンを始動させた記憶はなかった。
 とすると、そこで気を失い、何者かにさらわれたことになる。いったい、どうやって……。昔のドラマでよく見かけた、薬品でも嗅がされたのだろうか。それにしても、まったく覚えていないなどということがありえるのだろうか。それとも、後頭部を殴られでもして、前後の記憶が飛んでしまっているのだろうか。
 頭部を撫でてみるが、痛みはない。そもそも、なぜこんな暗い森の中に連れて来られたのだろう。下腹部に手を伸ばす。黒い繁みを避け、指を割れ目の奥へと侵入させてみた。陵辱の跡は感じられない。強姦目的で誘拐され、用が済んで捨てられたのではないのだ。ますますわけがわからなくなった。
 ぶるぶるとからだが勝手にふるえ出す。止まりそうになかった。このままじっとしていても、どうにもならない。寒さでどうにかなってしまいそうだった。紗江は小刻みに揺れる脚をおそるおそる伸ばし、立ちあがった。まずはこの森を出なくては。
 もう初夏のはずなのに、ひどく風が冷たかった。木々に囲まれて陽のほとんどが遮られているとはいえ、まだ昼間なのだ。ひょっとすると山の奥深いところなのかも知れない。胸が鷲づかみにされたように苦しかった。悪い考えばかりが脳裏をかすめていく。遭難しているのと同じなのではないか。帰れないのではないか。絶え間なく迫る心の声に、紗江は打ちのめされそうだった。
 肩まである髪ごと、ぶるぶると頭を振るわせる。くじけたら終わりだ。紗江はゆっくりと歩き出した。
 まともな道はなかった。笹の葉が密生している。けもの道のような、何者かが踏み荒らした跡が一筋、ずっと先まで続いていた。紗江をさらってきた何者かが通った跡だろう。ここを往くしかなかった。ほかに進めそうなところはない。
 跡がついているといっても、きれいにならしてあるわけではない。踏みつけられても屈せず、堂々と葉を風になびかせている笹も多かった。笹原をかきわけて進まなければならない。
 笹の葉に膝やふくらはぎが擦れる。足の裏はそれ以上に痛かった。裸足なのだ。切れているかもしれない。けれども血が出ているか、確認する気にはならなかった。
 茎が折れる感触しか伝わってはこなかったが、その下で虫を踏みつぶしているかもしれない。蛇や毒虫が出たら。おぞましさが背すじを固くする。紗江は何も考えないことにした。
 進んでいくと、すこしずつ木々の間隔が広がってきた。明るい陽光が素裸の紗江を照らし、ようやくふるえがおさまる。ところどころ笹が生えていない土の地面が見える。湿っていて気持ちが悪かったが、歩きやすくなった。
 笹の少ないところに沿って歩き続けた。これが道なのだと、自分に言い聞かせる。上っているのか下っているのかも定かではなかったが、歩き続けていないと不安だった。
 時間の感覚がない。歩きはじめてから何十分経ったのか、さっぱりわからなかった。いまは青い空が見えている。あれが赤くなり、日が完全に落ちてしまったら。想像しただけで背すじが凍りそうだった。焦燥と恐怖が疲労を凌駕し、足を早めさせている。
 どれくらい歩いたのか。やがて大きく開けたところに出た。幅の広い陽光が、ずっと先まで照らされている。眩しかった。いつの間にか木々が左右に分かれている。
「あ、ああ……」
 思わず声が漏れた。目尻からは涙があふれそうだ。もう間違いない。道だった。地面のはるか先には、雑草を分けて二本の筋が通っていた。タイヤの跡だ。自動車が通った痕跡がある! 紗江は踊り出したい気分だった。
 まだ助かったわけではない。けれども、「遭難」という最悪の状態からは、一歩遠のいたに違いない。この道を辿っていけば、きっと帰ることができる! 嬉し涙で頬を濡らしつつ、紗江は早足に歩いた。足裏の痛みなどどこかへ消えている。
 助かると思ったとたん、保護されたときの自分の姿が頭に浮かんでいた。ふもとまで行けばきっと人がいるだろう。裸でいることをどう説明したらいいのか。まずは警察を呼んでもらうべきだろうか。でもそうすると拉致されたとき、どこに居たのか話さなくてはならない。浮気が発覚しないだろうか……。
 胸を押しつぶさんとしていた恐怖と不安から解放されて、紗江はすっかり楽観的になっていた。自分をここまで連れてきた者は誰なのか、目的がなんだったのか、そんなことはもうどうでもよくなっていた。助かる。早く帰りたい。紗江の頭にあるのは、そのふたつから生まれた、自分に都合の良い想像だけだった。この森がどこなのか、人家のある場所までどれくらいの距離があるのかさえわかっていないというのに。
 緊張の糸が切れてしまっていた。笹の葉を揺らす音さえ、紗江は気にも留めなかった。ぽかぽかとあたたかい陽気に、鼻歌さえ歌いだしそうだった。いまや小さな風ひとつ吹いていない。笹が揺れるわけがないのだった。危険が間近に迫っているというのに、紗江はまるでその気配を察していなかった。
 陽の光がいきなり翳った。雲でもかかったのだろう。歩を進めながら、それでも紗江は気づかなかった。行く手を阻む障害物が現れたことを。足を止めたのは、鼻先が触れる直前になってからだった。壁のように大きく黒い物体が、目と鼻の先にあった。
「あ……」
 熊! 紗江はそう思った。真っ黒な巨体。見上げるほどの大きな影。山奥で出会うとしたら、熊以外にないはずだ。呑んだ息を吐き出すとともに、紗江はからだをひるがえし、駆け出していた。
「おがあああッ!」
 獣の咆哮は山道を追ってくる。全身の血が凍りつきそうだった。それでも走るしかない。逃げる。逃げる。ほかに何も考えられなかった。呼吸の仕方を忘れ、ひゅう、ひゅう、という音が喉からこぼれる。苦しい。でも走る。
 獣が追う音が背後で聞こえていた。離すことができない。道なりに逃げていては駄目なのかもしれない。それなら。
 白い裸身が、木々の間へと飛ぶ。ぼうぼうに群生した笹の中に身を投じた。ぱきぱきと茎の折れる音とともに、葉が素肌を傷つけていく。気にしている余裕はなかった。獣から逃れなくてはならない。腰を折って縮めたからだを、さらに密集した笹の間に踊りこませていった。
「はあっ、はあっ……ふうっ、ふう……」
 無我夢中だった。笹の茎をかきわけ、押しわけ、樹林の奥へ、奥へと進んでいく。腕や脚ばかりでなく、顔にまで笹が振りかかり、擦れた。それでも、獣に見つからないよう、屈んだままで進む。信じたこともない神に、必死に祈りながら。
 背後に物音がしなくなったと悟ったときには、周囲が暗くなっていた。日が落ちたのではない。森の奥深くまで入ってしまったのだ。種類の違う樹木が密生し、絡みあうようにして天へと伸びている。
 しゃがみこみ、大きく息を吐く。とりあえず、命拾いしたらしい。
 精根尽き果ててはいたが、戻らないわけにはいかない。紗江はしかし、振り返って愕然とした。
 笹の背丈が、紗江と変わらなかった。葉のかたちも、さっきまで目にしていたものと違う。ずいぶん深くまで入ってしまったようだ。
 笹原が草というよりは林のような高さで、無節操に広がっていた。縦横に伸びた笹は、紗江が辿ってきた道筋をわからなくしてしまっている。隙間なく生えた笹は、人ひとりがくぐり抜けた痕跡など、残してはくれなかった。
「……うそ……」
 くちびるがふるえた。不気味な暗い森の奥で、やっと見つけた帰り道を見失ってしまったのだ。もう、堪えることができなかった。先ほどとは違う種類の涙が、ぽろぽろとこぼれ落ちる。
「もう、もう……いやあ……」
 心が折れていた。
 エステサロンで日々磨きあげた肌が傷だらけだった。運動のおかげで張りを保っている乳房とお尻にも、無数の赤い線が走っている。太股やふくらはぎには血がにじんでいた。切れているのだろう。足の裏が、じんじんと痛みだした。
 なぜこんな理不尽な目に遭わなければならないのだろう。
 バチが当たったのかもしれない。夫を裏切り、若い男と浮気をした罰が下ったのかもしれない。紗江はなかば本気でそう思いはじめていた。
 あなた、ごめんなさい。許して。
 手を合わせて天を仰ぎ、むせび泣きながら、この場にはいない祐治に許しを乞う。いい気になりすぎていた。優しい夫に、贅沢さえしなければ不自由ない生活。満足すべきだったのだ。祐治の柔和な笑みが、脳裏に浮かんでいた。
 当然のことながら、罪を悔いたところで現状がどうなるものでもなかった。真昼であるはずなのに空は見えず、光の射さない森。笹の原に覆われ、方角どころか来た道さえ失ってしまっている。紗江は間違いなく遭難しかけていた。
「ううぅ……」
 泣いて泣いて、消耗しきったころ、急に下腹部が重く感じた。尿意だ。からだが冷えきっていた。
 いま屈んでいる場所は笹だらけだ。笹の葉や茎に撥ねて脚にかかるおそれがあったが、がまんできそうになかった。脚を開く。
 勢いよく尿が排出されていく。葉の表面に降りかかった小便が、ぱたたたと音をたてた。紗江は泣きはらした目で、呆然とそれを眺めていた。これからどうなるのか、考える気力さえ残っていない。お願いだから、夢であってほしい。悪夢から早く目覚めたかった。
 排尿はなかなか終わらなかった。ずいぶんと膀胱に溜まっていたのだろう。小鳥らしき小さな羽ばたきが、木の上から聞こえる。思わず顔を上に向けた、そのときだった。
 がさがさ、ぱきぱきと、音が聞こえた。笹原を分け入って、近づいてきている。
「っ…………!」
 近い。真っ直ぐこっちに向かっているのか、音はどんどん大きくなった。さっきの獣かもしれない。紗江は蒼ざめた。逃げたがったが、小便が止まらなかった。音が遠ざかることだけを、ただ祈る。
 願いむなしく物音の主は足早に寄ってきた。ばきばきと踏み倒される笹の音が、いっそう大きさを増す。前方に影が見えた。もうだめだと思った。紗江は深く目を閉じる。手を伸ばしたところにある茎が、折られる音を聞いた。
「何してんだ、あんた」
 太い、男の声だった。おそるおそる、目を開ける。
 猟銃を構えた年配の男が、こちらを見下ろしていた。銃口が向けられていた。
「ひいっ……!」
 笹の上に尻もちをつく。大きく広げられた股の間から、尿が飛沫をあげている。黄色く濁った男の目が、瞬きもせずに凝視していた。



「いやあ、すまんかったなあ。獲物かと思ったで、よお」
「いえ、とんでもない。見つけてくださらなかったらわたし、どうなっていたか……」
 貸してくれた紺のジャンパーがあたたかい。襟にはふさふさしたファーもついていた。男の体臭が染みついていて臭ったが、贅沢はいえない。丸裸でいるより、はるかにましだった。
「だけん、近づいてみてよかった、なあ。けものにしちゃ、たてる音が変だと思ったで、よお」
 男は古森と名乗った。ハンティングが趣味で、この山にはよく鹿を狩りに訪れるのだという。無精ひげが頬にまで生えている。きれい好きには見えなかった。
 ジャンパーの下は薄汚れた作業着姿だった。鹿の血の痕なのだろうか。赤黒い斑点が胸や腹のあたりに散らばって付着している。
 としは五十前後。皺が多く鼻が低い。酒飲みらしく、赤ら顔がニホンザルを思わせる。禿げているのかチェック柄のハンチング帽を深々と被っている。後頭部には毛がなかった。背は紗江よりすこし高いくらいだったが、肩幅が広かった。作業服の袖を捲り上げた前腕が太い。狩猟などを趣味とするには、たくましくなくてはならないのかもしれない。
「撃っちまわなくて、よかったでよ。なあ?」
 古森は振り向いて笑いかける。紗江は引きつった愛想笑いを浮かべることしかできなかった。冗談のつもりなのかもしれないが、一歩間違えば撃たれていたのだ。誤って人を撃ち殺してしまったというニュースを、紗江は思い出していた。
「もうすこし歩いたら山道に出る。車までそう遠くないで」
 黄色い歯を見せる古森に、紗江は歩きながら頭を下げた。放尿している姿を見られたのを思い出して赤面する。
 あのあと、男の出現に驚いた紗江はしばらく声が出せなかった。銃を向けられていたせいもあるが、タイミングが悪すぎた。尻をついた拍子に大股を開いてしまっていたのだ。性器を晒してしまっただけではない。股間から迸る尿を、しっかり目撃されていた。
 紗江は「犯される」と思いこんだ。局部を見下ろしていた目が、ねばついたものに見えていた。汚らしい山男に強姦されるのだと、覚悟した。
 だが、外見に反して古森は親切な男だった。
 無数の擦り傷を負った裸の紗江を見て、すぐにいたわりの声をかけた。
 貸してくれたジャンパーは大きめで、太股の上までをすっぽりと覆い隠してくれた。欲情した目つきだと感じたのは気のせいだったらしい。紗江が上着を着終えるまで、古森は背を向けていた。見た目とは違って紳士なのかもしれない。
 紗江が事情を話すと、家まで送るといってくれた。町からそう離れていないらしい。地獄に仏だった。古森が救いの神に見え、何度も深々と頭を下げた。
 身なりは薄汚かったが、目を細めて笑みを浮かべる古森は、いかにも人が良さそうだ。話すことばに、わずかな地元訛りがある。田舎の素朴な親父といったところだ。用を足しているところを見たことには触れず、振り向いては紗江に語りかけている。愛想がよかった。
 紗江は獣らしきなにかに追いかけられたことを話してみた。大きくて黒かった。熊ではないかと。
「熊といきあった? 北海道じゃあるまいし、そんな大きな熊はおらんよ。それに、熊は人間よりずっと足がはやい。追われたら逃げられんよ。なにかと見間違えたんでないけ?」
 皺だらけの顔で笑われたが、紗江は釈然としなかった。では、あれはなんだったというのだ。唸りながら追いかけてくる黒い巨体。熊でなければ説明がつかない。そういえば、背後で足音が聞こえていた。獣のものにしては、ずいぶん騒がしい音をたてていたような……。
「ほぅ、道に出る。もうすこしだけん」
 長い猟銃の先が、開けた場所を指していた。傾きかけた太陽が、赤く周囲を照らしている。いつの間にか周囲の笹の背が低くなっていた。
 もう心配はない。あとは車で送ってもらうだけだ。泣きに泣いて渇いたはずの瞳が潤む。すでに自分を襲った獣について論議する気は失せていた。そんなことはどうでもいい。無事に帰ることができる。熱いシャワーを浴びたかった。
 夫になんと説明しよう。紗江の意識はすでに自宅へ帰り着いたあとへと飛んでいた。祐治にどこまで話そうか。擦れてできた小さな赤い線は、手の甲や首にも走っている。何者かにさらわれて山中に置き去りにされたことだけは、話さざるを得ない。けれども、警察に通報することは避けたかった。拉致された場所から、明俊との浮気が露見するかもしれない。
 暗い笹原で夫に謝罪した気持ちは、太陽の下で霧散していた。罪を悔いるどころか、浮気相手との関係を絶とうとも思わない。あるのはただ、いかに夫を欺き、誤魔化せるかということだけだった。すっかり喉元を過ぎてしまっていた。
 古森のいったとおり、道が見えてきた。さっき通ったところかどうかは判別できなかったが、雑草も生えていない二本線の轍がある。町へと続く道だ。さらに先のほうには、白い大型のRV車が停めてあった。古森の車だろう。
 やっと帰れる。自然と顔がほころんだ。ずきずきする足の裏の痛みとも、これでお別れだ。紗江ははやく車に乗り込みたかった。一刻もはやく、こんな山の中とはおさらばしたい。しかし、ふいに前を歩く古森の足が止まる。
「小便、したくなったで。だけん、先に車のほうに行っててくれや」
「あ、はい……」
 「小便」と口にしたときの古森の顔が、やけにいやらしく見えた。細い目は見開かれ、覗きこむように紗江を見つめていた気がする。寒気すら覚えるほどだった。
 放尿を見られたせいで、敏感になっているのかもしれない。気のせいだ。紗江は考えを打ち消して、車に向かって歩き出す。もう三十メートルほどの距離しかなかった。
 車はランドクルーザーだった。山道を走って泥だらけだったが、まだ新しそうだ。錆びついたところが見られない。頼りがいがありそうな大きなタイヤが、車を高い位置に保っている。
 数分経っても古森は来なかった。紗江はランドクルーザーのフロントの前に屈んでいる。いらいらしはじめていた。小便にしては遅すぎる。
 迎えに行こうかとも思ったが、小便ではなく大のほうをしているのかもしれない。それに、車のそばを離れたくはなかった。
 厚いジャンパーを着こんでいるとはいえ、じっとしていると冷えてくる。空は赤く染まっていた。とりあえず紗江は立ち上がることにした。車の周りをぐるぐる歩いていれば、寒さも紛れるだろう。
 車の中ならあたたかいのに。疲労を感じてもいる。はやく車のソファに背をもたれさせたかった。紗江は恨みがましい目を車に向けた。背伸びをするように、サイドガラスから後部座席を覗きこむ。
「えっ……」
 思わず、声を出していた。
 自分の目が、信じられない。胸の奥がはげしく脈打っていた。
 後部座席のソファには、女が座っていた。紗江よりも若い女だ。腹の上まで毛布をかけられていたが、衣服を身に着けていなかった。見開かれた目はどこか一点を見ている。鼻と口から大量の血が垂れ、毛布の上に流れ落ちていた。
 女は絶命していた。
 死因は明らかだ。乳首の上のあたりに、ぽっかりと穴が空いている。固まって変色した血がこびりついてよくは見えないが、五百円玉くらいの大きな穴に見える。これで生きていられるわけがなかった。
 紗江はその場にくず折れた。立っていられなかった。腰が抜けてしまいそうだった。膝や脚どころか、全身がわなわなとふるえ出している。
 胸の穴は、きっと銃弾の痕だ。怖い。古森があの長い猟銃で撃ったのか。いやだ。帰りたい。殺した女を積んだ車に、なぜ自分を乗せようとしたのか。今度こそ、夢だ。お願い、もう醒めて。
 恐怖で考えがまとまらない。警鐘が頭の中で鳴り響いている。とにかく、逃げるべきだった。
 膝に力が入らない。立つこともできなかった。はやくしないと古森が戻ってくる。車から遠ざからないと。紗江は這いずって進んだ。
 道なりに逃げたのではすぐ見つかってしまう。せっかく抜けた笹原だったが、背に腹は変えられない。重く感じるからだを引きずって、笹薮に入っていく。必死だった。
 密生する笹の間に上半身を押し入らせたときだった。紗江は何者かに足首を掴まれた。
「ひいっ……!」
 古森だと、紗江は思った。
 殺される、殺される。紗江はもがいて逃れようとした。もう片方の足で掴んだ手を蹴る。両手は前へ進もうと、水をかくようにばたつかせていた。金切り声をあげながら、紗江は死に物狂いの抵抗を見せた。
「ごがあッ……!」
 踵が顔に当たったらしい。背後からの怒号が、紗江を凍りつかせる。その声は、古森のものではなかった。
 這ったまま上体をねじり、振り返る。黒い巨体が、紗江を見下ろしていた。黄色く濁った目が、怒りに燃えている。
「いやあああっ……!」
 黒い巨体の正体は熊などではなかった。熊のほうがまだましだった。黒いフードの下の顔を見るよりは。紗江は絶叫を放つと、笹の上にうつぶせになって倒れた。
 気を失った裸体の女を、巨体が軽々と片手に担ぐ。鼻息が荒い。
 巨体は笹薮をものともせず、女を肩に乗せたまま奥へと入っていった。



 下腹部が熱い。それに息苦しかった。
 からだの上に重みを感じる。揺さぶられているような気もした。
 犯されていると悟ったのは、目を開くより前だった。
 何者かにのしかかられている! 大きく、たくましい肉体が、紗江をはげしく責めたてていた。熱を持った汗が、紗江の胸や腹に滴り落ちている。
 股の間に突き入れられている剛直には、それを上回る存在感があった。太く、硬く、長い。子宮を突き破られそうだった。
 紗江はゆっくりとまぶたを開いた。暗い。もう夜中なのだろうか。意識もまだはっきりしていない。紗江は未だ夢と現実のさなかにいる。半睡状態に近かった。
 すこしずつ、闇に目が慣れてくる。自分に覆いかぶさっている男が、ぼんやりと見えてきた。
 目が合った瞬間、紗江は顔を背けた。喉の奥から飛び出しそうになる悲鳴を呑みこむ。汗ばんだ肌が、急速に冷えていく。目覚めたばかりなのに、おそろしい悪夢を見ているのだと思った。そうであってほしかった。
 男の顔は爛れていた。
 頭には髪の毛が一本も生えておらず、眉毛も髭もない。溶けた皮膚が右目の半分ほどを塞いでいた。ひどい火傷を負ったのだろう。頬の肉にもやぶれた痕が残っている。唇の片端は存在せず、黄色い歯が剥き出しになっていた。
 糜爛しているのは顔だけではない。全身の皮膚がくずれている。身を炙られた蝋燭のように、溶け落ちた肉がいたるところにへばりついていた。ホラー映画に出てくる化け物のようだった。
 紗江は大男に貫かれ、全身を上下に揺さぶられていた。ジャンパーは脱がされていなかったが、下敷きにしている笹がお尻に擦れて痛かった。
 紗江は思い出していた。熊と見間違えていたのが、この化け物だったことを。人殺しの古森から逃れようとしたところを、この大男に襲われ、捕らえられたのだ。
「ぼあッ、ぼあッ……」
 大男はうめくような声を、はげしい吐息とともに漏らしている。紗江は口を手で押さえ、横目で見ていた。正視する気にはならない。醜く、おぞましい顔だった。
 骨太の腕が、囲うように紗江の顔を肩幅に挟んでいる。全身を荒々しく揺らしているというのに、草むらについた手は微動だにしない。根が生えたようだった。これでは逃れようもなかった。
 男の身体は並外れて大きかった。背が高いだけではない。肩や胸が広く、分厚かった。腕など、紗江の太股より太そうだ。筋張った肉体には浮気相手で慣れているはずだったが、比べものにならない。枝と幹くらいの差があった。
 そもそも大きさが違いすぎた。明俊より頭ひとつぶんくらいは高そうだ。夫の祐治は百八十二センチと長身だが、それよりもずっと大きい。間近でこんな巨漢を見るのははじめてだった。
 紗江は、夫が過去にレンタルしてきた洋画のタイトルを思い出していた。たしかロバート・デ・ニーロが主演の映画だ。「フランケンシュタイン」……。巨躯を持つ化け物。興味がなかったので内容は忘れてしまったが、醜い外見は似ていた。
 フランケンは紗江にのしかかり、必死の形相で腰を振りたてている。眉がないせいか感情がまったく読み取れなかった。欲情しているのは間違いないようだ。見開かれた目玉が忙しく動いている。視線の先には、乳房や己の巨根を突きたてている性器、そして紗江の横顔があった。
 唇が溶けて歯が露出した口の端から、涎が滴っている。はげしい腰づかいに飛び散った唾液が、紗江の頬を汚した。
 ひどく臭かった。唾液もそうだが、大男は獣じみた体臭を漂わせている。悪臭が熱気に混じって紗江は鼻腔を刺激した。ぱたぱたと、汗の玉が乳の上に振りかかる。暗くて色までは見えないが、汚いと思った。吐きそうになるのを、紗江は懸命に堪えた。
 股間からはみだらな水音が漏れている。すでに一度、射精されているのかもしれない。
 男根は巨大で、脚を大きく開いていなければ耐えられないほどだった。太さも長さも、日本人の平均から、大きくかけ離れている。紗江の膣では、根もとまでおさめることができなかった。それでも、子宮の奥まで届けとばかりに奥まで突きこんでくる。鋭い痛みが頭を襲うほど、つよくからだを揺さぶられていた。
「お、おねがい……やさしく、して……ね?」
 紗江はためらいつつも懇願した。とても息が続かなかった。獣欲を剥き出しにした大男の責めは、勢いを増している。膨張した肉棒は硬く、猛々しい。膣にも痛みを覚えはじめていた。
 しかし、苛烈なまでの巨根の往復が休まることはなかった。言葉が通じていないのか、それとも無視しているだけなのか、くずれて歪んだ顔からは判断できない。フランケンは口の端から涎をまき散らしつつ、うなり声をあげて腰を前後に揺すっている。紗江は化け物のような大男に跨られ、完全に征服されていた。
「う、うう……いや、あ……」
 綺麗にそろえた睫毛の下に、光るものがあった。紗江はもう泣くしかなかった。男の目には知性が感じられない。とても正気とは思えなかった。
「う、うぼおッ、おッ……!」
 草むらに置かれていた手が持ち上がり、胸のふくらみを鷲づかみにした。分厚く広い掌にはまったく容赦がない。ごつごつした指が喰いこみ、乳房のかたちを変える。紗江は苦痛に悶えた。
「いぎぃっ……! い、痛いっ、痛いっ……やめてぇ!」
 丸太のような腕を叩き、引っぱるものの、巨漢はまるで動じない。醜く爛れた顔には笑みに似た表情さえ浮かんでいた。黄色い歯を見せつけるように、端の欠けた唇を剥き開いている。
「おッ、ぼおッ、ぼおッ……!」
 たくましい腰の動きがさらに加速する。紗江は乳丘を握りしめられたまま、野獣じみた責めを受け止めることしかできない。
「はあっ、はあっ、い、いやっ……はああっ……」
 もはや呼吸を整えることすら難しかった。突かれるたびに、細い腰が浮きあがる。からだを二つに引き裂かれてしまいそうだ。逃れようがなかった。上から乳房を押さえつけられている。紗江には苦痛を和らげるすべもない。
 殺される。責め殺される。そう思った。もう息ができない。
 意識が遠ざかりはじめたころ、巨漢が遠吠えに似たうなり声をあげはじめた。
「ぼおおお、おおおおッ……!」
 がくがくと、紗江のからだが揺れる。大男の揺れが伝わっているのだと、はじめはわからなかった。
 射精、されている! 
 胎内につよい脈動を感じる。紗江の目の前で、フランケンが顎を上へ突き出していた。爛れた喉が、ぶるぶると震えている。断末魔のようなかすれ声が、頭上で響いていた。
 膣奥にまで挿しこまれた巨大な肉棒は、何度も収縮を繰り返した。存分に射精しているのだろう。化け物の遺伝子を流しこまれていることは、考えたくもなかった。
 たっぷりと精液を注ぎこまれながら、紗江はほっとしていた。
 やっと終わる。これから自分がどうなるのか想像もつかないが、とりあえず苦痛の時間からは解放されるのだ。
「おおお……」
 ようやく吐精を終えたらしい。フランケンが筋骨太い腰を引く。長い男根が、続いて引き抜かれた。かさの張った亀頭だけでなく、肉茎にも大量の白濁液が付着している。やはり大量に射精されたようだ。空気が冷えているのか、湯気が立ち昇っていた。
 大男の動きを、紗江は固唾を呑んで見守った。満足してしまったら、自分を殺すつもりなのだろうか。不思議と恐怖は沸いてこなかった。猛烈に責めたてられて、酸欠ぎみになっているせいかもしれない。
 醜く爛れた顔は、紗江の秘所へ向けられている。大きく股を開かされ、剥き出しになったままの黒い繁みの下へ。
 逆流した精液があふれて出しているのかもしれない。性器を晒していることに、紗江は急に不安になった。あわてて脚を閉じる。
 不安はおびえに色を変えて全身に広がり、防衛本能に訴えかけた。胸の鼓動は速まり、冷たいものが背を通り抜ける。蒼白い恐怖が紗江を包みはじめていた。我に返ったといってもいい。
 逃げなくては。だが、膝に力が入らなかった。紗江はからだを回転させ、フランケンにお尻を向けた。指を笹の原に喰いこませ、這ったままからだを前進させようとする。さきほど古森から逃れようとしたときと同じ、はたから見れば滑稽な行動だとは気づいていない。化け物から逃れたい一心だった。
 這いずって笹薮の中を分け入ろうとする女の足首を、巨漢はたやすく片手に捕らえた。これもさっきと同じだ。
「いっ、いや! はなして!」
 抗いは無意味だった。大男の両手が、白い尻を抱えている。じたばたと紗江が暴れても、万力で固定されたように動かなかった。
「ひいっ……!」
 淫裂に硬いものが押しつけられる。大量に射精したのに、まったく萎えていないようだった。身構える間もなく、巨大な男根が侵入してくる。再度の挿入だったが、慣れはない。紗江は胸まで貫かれる気分だった。隆起したお尻に、爪が立てられている。
「ぼおふ……」
 フランケンのうめきは、心なしか満足げに聞こえた。ゆっくりと、出し入れが開始される。泡だらけの唾液が、双臀の谷間に垂れ落ちていた。
「いやああっ……!」
 女の絶叫がうっそうとした森に響く。
 笹薮のはるか上には、満天の星が輝いていた。



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  1. 2010/05/20(木) 18:18:18|
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Author:臥頭狂一
(がとうきょういち)
 日々、頭痛に悩まされながら官能小説を書いています。
 いろいろなジャンルに手を出していくつもりです。よろしければ読んでいってください。
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